新潟県燕市とヤマト運輸株式会社は31日、地方創生に関する包括連携協定を締結。この協定に基づいてヤマト運輸と市が連携して道の駅へ農産物を配送する実証実験を行う。
ことし7月にリニューアルオープンした燕市国上、「道の駅国上」では、ファーマーズマーケットとして生産者が持ち込む農産物を直売している。
市内全域から農産物を集めて魅力アップしたいところだが、納品の手間と時間がネックになって地元の国上地区の生産者が中心になっている。そこで道の駅から離れた場所にも納品場所を設けてヤマト運輸と市で運搬を連携する実証実験を行う。
実証実験は11月7日から30日までの平日に行う。「道の駅国上」から東へ約6.5kmにあるヤマト運輸燕営業所(燕市杉柳)を納品拠点とし、実証実験に参加する2人の生産者は、午前9時15分までにここに農産物を搬入する。
ヤマト運輸は持ち込まれた農産物を燕市役所へ運び、市役所を9時43分に出発する市の循環バス「スワロー号2号便」に積み込む。「スワロー号2号便」は10時15分に「道の駅国上」に到着、荷下ろしして売り場に陳列するという流れで、ヤマト運輸と市が連携する。
31日は市役所で両者の間で地方創生に関する包括連携協定の締結式を行った。ヤマト運輸が燕市内2つの営業所を来年3月に統合、移転新築するという話から、宅配ネットワークを生かした地域貢献を果たしたいと燕市に申し出があり、包括連携協定を結ぶことになった。県内の市町村との協定は佐渡市、津南町に次いで3例目となった。
実証実験では、ヤマト運輸は無償で配送を請け負う。鈴木力市長は「実証実験やりながらどういうやり方が持続可能な形にになるか、生産者を含めウィンウィンウィンとなるやり方を検討していく。持続可能になれるようなやり方をお互いに検討していければ」と話した。
ヤマト運輸新潟主管支店の藤岡昌樹主管支店長は「包括連携協定を機に、これまで以上に燕市と一体となって取り組むことで市民サービスの向上、持続的な地方創生に貢献できると考える。実証実験はその第1弾の取り組み」と連携の発展に期待した。