新潟県を中心に興行するプロレス団体「新潟プロレス」の初めての三条大会が開かれた19日、三条市の名誉市民でもあるジャイアント馬場さんともタッグを組んだプロレスラーのグレート小鹿さん(80)が三条市の図書館等複合施設「まちやま」に寄付、植樹したシダレザクラの目録贈呈式が行われた。
小鹿さんは、自然環境や景観の維持保全を図ろうと2015年に設立されたNPO法人「資源を増やす木を植えましょう」(北海道札幌市)の理事長。全国各地で植樹活動をはじめ自然保護に向けた活動や情報発信に取り組んでいる。
新潟プロレスのスーパーバイザーでもあり、新潟県内では新潟プロレスの興行先などで新潟プロレスとともに植樹活動を行い、県内では三条市が6回目の植樹。寒くなると植樹に適さないため、先に9月に「まちやま」の正面玄関の先にシダレザクラ1本を植樹し、三条大会を待ってこの日の目録贈呈式となった。
また、馬場さんを顕彰する「三条ジャイアン馬場倶楽部」は、シダレザクラの下に設置した鉄のプレートを寄付した。会長の中條耕太郎さん(52)が経営する鋼板加工会社で製作したもので30×50センチ、厚さ2.3ミリの鉄板に「三条市名誉市民ジャイアント馬場記念シダレザクラ」の文字をレーザー切断で切り抜き、馬場さんのパンツの色に合わせて赤く着色した。
贈呈式には新潟プロレスを運営する株式会社ホライズンの乙川敏彦代表取締役会長と、代表でもある新潟市西区出身のシマ重野選手も同席し、それぞれの寄付目録を滝沢亮市長に手渡した。
小鹿さんは「偉大なるプロレスラー、ジャイアント馬場さんの記念の植樹をさせていただいた」と今回の植樹に込めた特別な思いを話した。80歳になってあと何回、三条に来れるかわからないが、年に一度は三条に来たいし、シダレザクラを馬場さんの代わりとして心のなかで話しかけてくれる人がいればうれしいと話し、「どうか皆さんの力でこの新潟県三条市も、馬場さんもこのサクラの木がもっと太く長く、たくさんの花が咲くように力をお貸しください」と願った。
中條さんは「ジャイアント馬場倶楽部として何かできないかと三条市民一丸となってジャイアント馬場さんの功績を後世まで語り継ぐ象徴の木になってほしい」。滝沢市長は「きょう話してもらったことを市民と共有してつなげたい」とし、小鹿さんからまた植樹をしたいと申し出があったことを喜んだ。
小鹿さんは2、3年前から大病を患い、この2週間ほど前まで歩くこともできなかったが、この日は、紫色のダブルのジャケットを着て出席した。三条市の諏訪田製作所には、馬場さんの愛車だったキャデラックを展示しているが、小鹿さんは最後の3年間、運転手として馬場さんを乗せてキャデラックを運転した。
小鹿さんは「馬場さんとの思い出は何時間かかっても話しきれないほどたくさんある。聞き上手な人で、ユーモアのある人だった」と馬場さんを思い出していた。