新潟県弥彦村の弥彦芸妓を夢見て東京都からやってきた女性が1日、弥彦村地域おこし協力隊に着任。自身が芸妓となって弥彦芸妓文化の継承を目指す。
着任したのは神奈川県生まれで東京都に住んでいた志村茉那美さん(27)。京都造形大、東京芸大大学院を卒業し、そこで学んだ映像制作を生かして個人事業主として開業した。
大学で日本舞踊の講義を受講したのがきっかけで芸妓文化を興味をもち、舞妓や芸妓の外観だけが注目されているため、芸そのものの美しさ、魅力を発信したいと、弥彦村の芸妓文化を継承する人材となる地域おこし協力隊の募集に応募した。
勤務先は一般社団法人弥彦観光協会で、ふだんは弥彦観光案内所で働くが、あくまで芸妓が優先。弥彦妓芸協働組合で月に4、5回のけいこを積む。お座敷デビューは早ければ新年会に間に合うかどうかになるという。
1日は小林豊彦村長から志村さんに地域おこし協力隊の委嘱状を手渡した。志村さんは「今回、活動することによって少しでもいろんな芸妓の姿や生きざまを伝えていけたら」と話した。
民話を題材にした映像をつくったことが多く、新潟県は民話が多いと聞き、それをきっかけに新潟に住んでみたいという気持ちがあった。「自分のスキルとして映像をつくれるので、それを生かして作品を作っていけたら」とも言い、「同世代の人ともかかわっていきたいという気持ちが強く、芸妓は敷居が高く見られがちだが、まず親しみをもった地域に根付いた芸妓として活動できたらいい」と語った。
地域おこし協力隊による芸妓文化継承の取り組みは昨年、岐阜県下呂市の下呂温泉でも始まり、注目を集めた。