新潟県加茂市が2020年6月に取得した加茂駅前の商業施設「メリア」3階を活用する実証実験が6日、始まった。若者を中心に駅周辺を訪れた人の居場所として開放している。
メリアは1986年にオープンし、経営が代わりながら存続したが、2019年には1階と3階を取得していた地元スーパーが事業を停止。1階部分は新たにスーパーが営業し、3階部分は加茂市が1,100万円で取得して活用方法を探ってきた。
3階部分は十数年前から活用されていない、いわば開かずの間だった。実証実験では3階のフロア約1,200平方メートルのうち3分の1の約4,000平方メートルを使って行っている。
仮称「MACHINAKA BASE(マチナカベース)」。コミュニケーションスペース、コワーキングスペース、キッズスペースと2カ所のフリースペースを設けた。
施設内に設置する机、いす、平均台、跳び箱、黒板などは昨年度で廃校になった加茂西小の備品や市役所で使われていないものを再活用。新たに購入したのはテーブルタップやWi-Fi設備などわずかしかない。アンケート用紙を設置し、アンケートに答えた人には粗品を持ち買ってもらっている。
市内の高校、大学には学校を通じて利用を呼びかけるちらしを生徒、学生に配布した。初日6日は天気が悪かったこともあるのが、利用者はわずかだった。
三条市から電車通学する加茂農林高校1年生は、1階で電車を待っていたが、市職員に勧められて3階に足を運んだ。「夏は涼しいメリアで電車待ちした。1階の居場所は限られるので、広いスペースがあるのは助かる」と喜んだ。
子ども2人を連れて訪れた近所の40代の主婦は、絵本もあるキッズスペースを利用。「こういう場所があるのはいい。これからも使わせてもらうと思う」と話していた。
加茂市では利用者へのアンケートなどで意見を収集して活用方法をより具体化し、17日は加茂市産業センターで開くまちづくりワークショップ「かもMIRAIカフェ」で「メリア3階どうする?〜若者の若者による若者のための居場所づくり〜」を開く。
実証実験は来年3月31日までの約4カ月間。利用時間は午後1時から7時まで、利用料金は無料。問い合わせは建設課(電話:0256-52-0080・内線 214)。