AAAPARE(アーパレー)株式会社(門田頼平代表取締役・東京都渋谷区)の着物デザイナー、紫藤尚世(しとう ひさよ)さんは、世界に発信するSDGsコンセプトの自身のブランド「AAAPARE」で三条市内の工場で排出された生産副産物のスクラップを使った着物の装飾の制作を進めており、7日、滝沢亮三条市長を訪問して思いを伝えた。
紫藤さんは東京都浅草生まれ。独自の布合わせなどで「逆転の発想」から異次元の着物づくりを完成させた和装界ではほかに例のない着物デザイナーの第一人者。1987年には歌手の中森明菜さんの「 DESIRE -情熱-」の衣装を手掛けたことでも知られる。
SDGsの目標の「つくる責任 つかう責任」をコンセプトに 脱炭素社会に向けたメッセージを作品に込め、「AAAPARE」で三条市の工場で排出されたスクラップを活用した着物の装飾やアクセサリーを制作し、ブランドアイテムとして世界に発信する。早いものでは来年2月末までにアイテムをリリースしたい考えだ。
今回の来条では三条市内の産業廃棄物処分・リサイクルの北興商事、ステンレスの黒染めのテーエム、三条市の伝統技術を伝える三条鍛冶道場などの視察を計画。それに先だって滝沢市長を訪問したもので、紫藤さんは浜松の刺し子織を阿賀町で縫製した服を着て、同行の門田代表取締役は見附市のニットで生まれた帽子をかぶって市役所を訪れた。
市長室のテーブルには三条市の諏訪田製作所が廃材で作るミニ盆栽を飾ってあり、興味津々。浅草生まれで着物に対する愛が強く「なんとか日本の着物を世界のファッションにしたいと40年前から訴えているが、簡単ではない。わたしも75歳で時間がない。元気なうちに世界のファッションにしたい」、そして「日本のすごい技術を世界に紹介したい」と話した。
滝沢市長は「このエリアに注目してもらってありがたい」と地元から生まれるアイテムに期待した。