新潟県三条市は8日、水道メーター検針業務で、検針を行わずに過去の使用水量を基に虚偽の検針値を報告していたことがわかったと発表した。
虚偽検針が行われたのは下田地域の上組、長野、棚鱗、荒沢、小長沢、庭月、八木前の各地区の合わせて67軒。うち大半の62軒がことし8月検針から虚偽検針が行われ、それ以外は古くは4年前の18年8月検針から虚偽検針が行われた。
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過去の使用水量を基に虚偽の検針値を報告
三条市は水道メーターの検針業務を日本ウォーターテックス・三条管工事業協同組合・BSNアイネット特定共同企業体(株式会社ウォーターテックス代表取締役・佐藤亮代表・埼玉県幸手市)に委託しており、同企業体はさらに有限会社吉田設備(吉田進取締役・三条市棚鱗)に再委託している。
吉田設備では、検針員1人が下田地区の一部、422軒の検針業務を行っている。この検針員は、検針を行わずに過去の使用水量を基に虚偽の検針値を報告していた。
水道使用者が10月分の水道料金の検針票と水道メーターの数値が違っていることに気づき、11月17日に企業体に連絡した。三条市では企業体と吉田設備に聞き取りなどを行った結果、虚偽の検針値を報告していることが明らかになった。
「検針業務に手が回らなかった」
そのため、吉田設備は事業対象地区全軒を調査し、67軒にのぼる虚偽検針の事実がわかった。聞き取りに対して虚偽報告をした検針員は、「通常の仕事が忙しくなり、検針に業務に手が回らなかった」と話したと言う。
三条市では虚偽検針の対象となった上下水道使用者に対して直ちに個別訪問を行い、謝罪、説明する。過大、または過少に徴収した水道料金と下水道使用料は、12月19日から31日に行う次回の検針結果を受けて算出し、過不足分を還付、または追徴する。その金額はまだ確定していない。
委託先事業者の企業体には、再委託先事業者の吉田設備の管理、監督を徹底するよう指導した。企業体は吉田設備との契約を解除し、今後は自社社員による検針を実施する。
再発防止策として、企業体には再委託先事業者を含めた無作為抽出による再検
針の実施、コンプライアンス意識向上のための従事者教育の徹底と再発防止策の実施状況の報告を指示し、よりいっそうの監督、指導に努める。