新潟県の燕・弥彦地域は、北陸信越運輸局の「DXを活用したインバウンド受入環境に関する検証事業」の実施地域に選ばれ、台湾の旅行客をターゲットにメタバース空間「GAIA TOWN」を活用した観光情報などを約3か月間、発信している。県内自治体でメタバースの活用は初めて。
産業史料館などのバーチャル見学や来場者と商談する物産博、講演会などをメタバース上で開催するほか、台湾の旅行会社を燕・弥彦地域に招き、見学を行うモニターツアーを実施し、受け入れ環境の発信や外国人目線での評価、検証を行って誘客強化策の検討や実施につなげる。
実施メニューは、2月28日まで「常設ブース」と「バーチャル観光施設見学」を24時間オープン。14月14日、2月18日、19日に「物産博」、同じ3日間の午後3時から4時まで「講演会」、2月9日から12日まで「旅行会社招請」を行う。
「常設ブース」は、燕市と弥彦村の観光情報などをPRする36のブースを設置し、観光関連の宿泊や見学などの商談もできる。「バーチャル観光施設見学」では燕市産業史料館と弥彦神社を360度VR映像で再現する。
「物産博」は通訳士を配置し、出展者と来場者が商談できる。「講演会」は鳳凰(ほうおう)國際旅行社日本線協理の林怡君(リンイージィュン)氏、訪日旅行ブロガーの愛莉西亞(アリシア)さんが講演する。「旅行会社招請」は台湾の旅行会社5社を実際に燕・弥彦地域に招いてモニターツアーを行う。
アフターコロナを見据え、台湾市場の誘客強化を図るのが目的。Facebookを運営する米国・Metaのマーク・ザッカーバーグCEOが11月にメタバース部門を含む大幅な人員削減を発表するなど苦戦が伝えられ、メタバースに対する肥大化したともいえる期待感が急速にしぼむなか、燕・弥彦地域のメタバースを使った誘客効果が注目される。