仕事納めの28日、法華宗陣門流総本山「本成寺」(新潟県三条市西本成寺1)で年末恒例のすす払いが行われ、1年の汚れを払って新年を迎える除夜の鐘、2年参りで新年を迎える準備を整えた。
すす払いの主役は本成寺世話人や門前信徒で、ことしは20人余りが参加。それに山内住職も加わり、本堂から寂光殿、客殿、奥書院へと掃除を進めた。
にぎやかなのは畳の目に詰まったほこりをたたき出す作業。横一列に並んでしゃがみ、両手に持ったタケの棒で畳をたたきながら前へ進む。バンバンとけたたたましい音が境内まで響き、舞い上がったほこりが日差しにきらきら光った。
足腰への負担が大きい筋トレのような作業で、60代、70代が中心とあって1分も続けるのは難しい。吐く息は白く肩で息をし、休み休み繰り返した。同時に柄の長さが4メートルもあるほうきで、壁や欄間の彫刻などのほこりを払ったあと、畳に残ったほこりを掃除機で吸い取った。
山内住職は本堂内陣の掃除を担当。壊さないように慎重に金色の須弥壇(しゅみだん)を化学雑巾でふいたり、はたきでほこりを払ったり、書見台をふいたりした。
好天は午前中だけだったが、朝は雲ひとつない青空。すす払いは毎年28日決まっており、「こんが天気がいいのは初めてら」と話す人も。「忙しいんだ。これから病院、行がんばね」、「ほら、こんがいっぺクモの巣」とコミュニケーションも楽しみながら2時間近くすす払いに精を出した。
すす払いのあとは、みんなで昼食にカレーライスを食べるのが恒例だが、昨年に続いて新型コロナウイルス感染防止のため中止し、弁当を持ち帰った。
寺務所納めは翌29日。大みそかの31日は年末卿、除夜の鐘、正月1日は元朝祈願、屠蘇(とそ)の儀、年始経で年を越し、2年参りの参拝客でにぎわう。