「成人の日」の9日、還暦の60歳で生まれ変わってから20年の成人を祝うと新潟県燕市の吉田地区老人クラブ連合会(堀裕恒会長)は、ことしも「シニアセンターよしだ」で熟年成人式を行い、傘寿(さんじゅ)でもある80歳を迎えた会員の長寿を祝った。
成人式がなかった時代に生まれた人たちから、還暦で年齢をいったんゼロにリセットして新たに20年のはたちを迎えた人にあらためて成人式をと毎年、「成人の日」に開いている。
全国的にも珍しい取り組みで、ことしで28回目。一昨年、昨年と祝宴やアトラクションを中止して式典と記念写真撮影だけ行ったが、ことしは引き続き祝宴は中止したが、アトラクションは復活させた。
ことしの対象者は1942年(昭和17)4月2日から翌43年4月1日までに生まれた吉田地区老人クラブ連合会会員のおところ男16人と女22人の38人で、そのうち男女とも13人ずつの26人が出席した。
紅白のリボンを胸に着け、男性はスーツ、女性の中に和服を着た人も。堀会長は式辞で「老人クラブの弱体化が顕著となっている状況だが、老人クラブの3大目標の健康、友愛、奉仕を理解し、活動の輪を広げ、明るく活力ある地域づくりに積極的に寄与してまいりたい」と話し、引き続き老人クラブ活動への積極的な参加を呼びかけた。
来賓祝辞で鈴木力市長は、参加者が成人式を迎えた60年前は美空ひばりと小林旭がビッグカップルが結婚し、橋幸夫と吉永小百合が歌う「いつでも夢を」がレコード大賞に輝き、光化学スモッグが問題になり始め、三八豪雪に見舞われたことなどを紹介し「これまで歩んできたいろんな経験を我々の世代にご教授いただいて、こういった問題をどのように乗り越えていったらいいか一緒になって取り組まさせていただければ幸い」と願った。
中山真二市議会議長、小越ゆみ子燕市社会福祉協議会副会長の祝辞のあと、対象者への記念品の吉田地区老人クラブ連合会のシンボルマークのある飾り棚と祝い鶴を堀会長から代表の旭寿クラブ・西久保千恵子さん(80)に贈呈した。
法花堂老友会・田中義男さん(80)が謝辞で夫婦一緒に出席できたことを喜び、「長岡空襲、そして終戦になり、その時代に生まれ、両親は大変苦労したと思う。両親には感謝しかない。何事にも負けず一生懸命、頑張って生きてきたこと、助け合いの精神で生きてきたと思う。いつの間にか80歳、いつまでも健康に気をつけて元気で明るく生きていきたい」と述べた。
このあとアトラクションのフラダンス、詩吟、カラオケ、大正琴を鑑賞しながら、互いの長寿を喜び合った。