株式会社ツインバード(野水重明代表取締役社長・本社:新潟県燕市吉田西太田)は11日、燕三条ワシントンホテルで毎年恒例の新年賀詞交歓会を開いた。取引先から約130人が出席。野水社長は昨年、社名変更の大きな変革を決断したことに続き、ことしのツインバードが向かう方向や思い、決意を話した。
野水社長は、ロシアによるウクライナ侵攻の長期化、エネルギー価格や原材料価格の高騰、1ドル150円台まで円安の急進などで「サプライチェーンをはじめ世の中が混乱する1年」と振り返った。そのなかでもツインバードは、「ピンチはチャンス」を合言葉にぶれずに企業改革を進めた。
昨年秋に社名を「ツイバード工業株式会社」から「株式会社ツインバード」に変更。2021年11月に宣言したリブランディングの経過と、社名変更に込めた思い話した。2021年は創業70周年、事業承継10年の大きな節目で、「本質的に価値ある家電を追求する」との思いでリブランディングを宣言した。
1951年に三条市でメッキ加工業として創業。主力製品を金属ハウスウエア商品からギフト商品へ、近年はライフスタイル家電にまで展開してきた。
リブランディングのタイミングでコーポレートロゴをブラックが基調の力強いイメージに刷新。匠の技を家庭で好きなだけ味わえる「匠プレミアム」と、本当に必要なものだけが与えてくれる感動と快適を提供する「感動シンプル」を新たな2つの商品ブランドラインとして立ち上げた。
リブランディングにより、社員、取引先、顧客に変化があった。社員には会社の本気度が伝わり、日々の言動などに明らかな変化があり、取引先のリアクションにも前向きな変化を感した。
リブランディングに伴うホームページを一新してから1,200人の顧客を対象にしたアンケートでは、今後、ツインバード製品を「ぜひ買いたい」、あるいは「買いたい」という人が約15%アップ。「少しずつだが着実に私たちの思いが伝わり、熱狂的なファンづくりの土台ができ始めている」。
国内の新型コロナウイルスワクチン接種は、ツインバードのスターリング冷凍機なくしては成立しないほど貢献した。この実現のために商品点数を現在では半分にまで絞り込む一方、本質的な豊かさを提供する新商品開発やコミュニケーション開発の戦略的投資を推進した。
外部環境を見るとダウントレンドが続く国内家電市場、コロナ禍を含む生活者の価値観の大きな変化で大量生産、大量消費から、本質的に豊かな生活を求める時代への変化を強く感じ、「家生活者に寄り添いながら、体験価値や情緒価値を創造していかなくてはいけない」と強い危機感を覚えた。
あらためてツインバードの大義を考えた。燕三条地域の産業の歴史や洋食器のメッキ加工業として創業したツイバードのものづくりを振り返り、「燕三条の豊かな土壌に根差した300人の会社だからこそ、地域のものづくりの経営資源を生かしてできることが必ずある。それが、ツインバードの存在価値」で、単なる家電メーカーから持続的な幸せを創造する「ライフスタイルメーカー」への進化の必要性を感じた。
それは非家電やサービスかもしれず、その可能性も包含できる社名に変えようと決意した。祖父から受け継いだ社名から「工業」を取るのは大きな決断だったが、「ブランドプロミスでも表現している“心にささるものだけを。”をさらに生み出し、時代の変化に柔軟に対応しながら、さらなる進化をしていく」。
ライフスタイルメーカーへの変革の一例として、燕市のふるさと納税の返礼品には、ツインバードの調理家電製品と新潟のおいしい食べ物をセットで提供。昨年10月には新製品の小柄な人でも使いやすい「背伸びせず使える冷蔵庫」と、タッチ&ビュー機能を搭載した「中身が見える冷蔵庫」を発表した。
家電製品事業の収益性向上と成長のシナリオについては、中期経営計画に掲げる「ツインバードブランド価値向上」のために「価値訴求の変革」、「お客さまとのコミュニケーションの変革」、「販売チャネルの変革」を進めている。「感動シンプル」ブランドラインの戦略的新商品に中型冷蔵庫が加わった。
引き続き既存商品は商品点数を絞り込みながらも1点当たりの売上高を最大化することで収益性の向上を図り、今後も戦略的新商品を積極的に投入して事業拡大を図る。
「ブランド価値向上」、「FPSCの更なる事業展開」、「DXの加速」にキャッシュベースで2021年度は約10億円、2022年度は約18億円の大胆な戦略的投資を開始した。「家電製品事業ならびにFSPC事業ともに事業変革を加速し大きく事業を拡大していく」とし、出席者らに絶大な支援、指導を求めた。