26日午後、新潟県燕市吉田地区の吉田浄水場で作業停電中に予備発電機がトラブルで停止して電源がなくなったため、配水している吉田地区の広い地域で約1時間半にわたり断水が発生した。
午後2時から断水し、3時半ごろに復旧、配水を開始して4時には水圧もほぼ元通りに戻った。
吉田浄水場に入ってくる高圧線は、NTTの電柱に架けてある。この日はその電柱の建て替え工事が行われるため、一時的に作業停電させ、その間は予備発電機で必要な電力をまかなう計画だった。
予定通りに作業の停電のタイミングで予備発電機を稼働させた。最初は問題なく稼働したものの、途中で運転が停止。このため浄水場の機能も停止し、断水が発生した。
予備発電機が停止したのは、発電機のエンジンを冷やす冷却水が来なくなったため。冷却水が止まったのは、大寒波の影響で冷却水が凍結したためと見られる。その後、冷却水が流れるようになって運転を再開、電源が復旧し、断水が解消した。
今回もいきなり予備発電機を運転したわけではなく、事前に正常運転を確認しており、同浄水場では「事前の点検の確認事項を増やすなどして再発を防ぎたい」としている。
燕市では2016年にも燕地区の道金浄水場で停電中に自動的に作動するようになっている発電機が稼働せず、断水が発生したことがある。19年には分水地区の分水浄水場で定期点検後にポンプが稼働せず断水が発生し、浄水場の問題による断水が数年おきに起きている。
市内には道金、吉田、分水の3つの浄水場がある、いずれも老朽化したことから2025年度の供用開始を目指している統合浄水場の建設工事を進めている。今回は老朽化が直接的な原因ではないようだが、統合浄水場の完成まではトラブルの不安を抱えたなかでの運営が続く。