2月3日の「節分」にあわせて1月28日から2月4日まで「節分フェア」を開いている新潟県田上町の「道の駅たがみ」(馬場大輔駅長)にフェア初日の28日、新潟県出身の元幕内「豊山」の小柳亮太さん(29)が1日駅長を務め、豆まきや写真撮影会も福豆プレゼントも行い、多くの豊山ファンでにぎわった。
小柳さんは豊栄市立葛塚小1年生のころ相撲を始め、金沢学院東高校、東京農大相撲部で活躍し、2016年に時津風部屋に入門。最高位は西前頭筆頭で、昨年11月に引退した。
馬場駅長から小柳さんにたすきをかけ、1日駅長に任命してイベントがスタート。カウンターに入ってレジ打ちを体験し、ソフトクリーム巻きにも挑戦して来場者にプレゼント。整理券を配布した先着40組と記念撮影し、著名人からサインしてもらっているショップの壁のタイルに手形を押してサインした。
子育て地蔵尊で知られる田上町内の定福寺で福豆の祈とうをした桑原真龍住職と安龍寺の斉藤隆光住職と馬場駅長も加わり、かみしもを羽織り、ショップやとなりのコンビニ店などで「福は内!、鬼は外!」と豆まきし、最後に福豆250個を先着順でプレゼントして終わった。
遠くは千葉県から訪れたファンもいて、写真撮影整理券配布のいちばん乗りは田上中3年の笠原旭陽さん(14)で、配布開始時刻の2時間も前から並んだ。今春、高校受験の合格の願いも込めていちばん乗りをねらっていた。
5、6年前から大相撲を見ている。相撲を見ている祖父から新潟県出身力士がいると聞き、それで相撲を見始めた。豊山さんのファンになり、そして相撲ファンに。豊山については「いい体をしてる。生で見るのは初めてで、やっと会えてうれしい」と、どきどきでその瞬間を待った。
写真撮影では握手をしてもらってにこにこが止まらず、「感動した。5年の思いが報われた」と感激していた。
子どものころから大相撲を見続ける加茂市の川崎武さん(79)さんは、高校3年生の孫の名前が同姓同名の小柳亮太さん。そのことを書いた紙も用意してアピールした。
豊山が幕下付出(まくしたつけだし)のころ、「小柳って名前が出て、えーって思ったら、亮太で同じ名前でこりゃすごいと」。残念ながら同姓同名の本人はアルバイトで来られなかったが、「写真を後で孫に送る。いい記念になった」と喜んでいた。
小柳さんは断髪式もこれからで、長い髪を後ろに束ねて丸めていた。引退したとはいえまだ20歳代の若さ。投げる福豆をぼりぼり食べたり、投げずに来場者に手渡したりと自由で、イベントを来場者と一緒に楽しんでいた。
今回は馬場駅長がつてをたどって小柳さんに節分フェアへの出演を依頼し、ふたつ返事で承諾してもらった。小柳さんは「こういう機会をつくっていただければ、新潟の人に応援していただいた感謝を伝えられる。呼んでいただいてありがたい」と話し、来年の出演も約束していた。
また、節分フェアでは、「かりんとう饅頭」と「道の駅たがみ」のソフトクリームがドッキングした「鬼の金棒ソフト」の期間限定復活、最終日の2月4日には海洋高校相撲部による豆まきと「ごっつぁん鍋つゆ」の試食販売も行われる。問い合わせは「道の駅たがみ」(電話:0256-47-0661)。