帝国データバンクの調べでは、「良寛牛乳」で知られる創業70年余りになる老舗乳製品メーカー、株式会社良寛(資本金3750万円・出雲崎町大門。諸橋且委代表)は7日付けで事業を停止した。負債は昨年12月末時点で約4億7000万円。
同社は1952年(昭和27)に出雲崎町の地元酪農業者が互いの経営合理化を目的に任意組合を結成して創業し、64年(昭和39)4月に法人改組した。
主力の「良寛牛乳」を自社工場で製造するほか、「良寛コーヒー」、「良寛牛乳プリン」、「良寛ヨーグルト」などの自社ブランドを幅広く取り扱っていた。営業エリアは新潟県中越地区が主体。食品スーパーや学校給食をはじめ、公共施設や企業内の自動販売機向けなどを販路として展開し、2003年12月期には年売上高約17億4200万円を計上していた。
しかしその後、主力の牛乳市場が縮小するなか、量販店向けは同業者との競合が加速。さらに少子化を背景に学校給食向けも低調に推移し、21年12月期の年売上高は約9億9100万円にまで減少し、連続欠損から大幅な債務超過に陥っていた。
新型コロナ対応融資を利用するほか、付加価値を高めた新商品の投入などで経営の立て直しを図ったが、各種原材料価格の高騰に加えて運送費の上昇、電気代などのエネルギーコストの増加も加わり、資金繰りがひっ迫していた。