新潟県弥彦村で1月29日行われた弥彦村長選に初出馬で初当選した本間芳之新村長(65)が22日、初登庁した。本間村長は子育て課の新設をはじめとした子育て支援の充実、さらに村民の融和から取り組む考えを示した。
職員に訓示を行い、「私の掲げた35の約束は時間がかかってもしっかりと着実に歩みを進めていきたい。とにかく子育て、高齢者支援、そういった生活にかかわるすべてのことを最優先して取り組みたい」とし、「10年先、20年先、30年先の将来を見据えた明るい弥彦村、笑顔あふれる弥彦村をどうか皆さん、僕と一緒につくっていきましょう」と職員に期待した。
初めて入った村長室で本間村長は「あらためてまた身の引き締まる思いで、これからの村政しっかりとかじ取りをやっていきたい」と話した。当選して以降は、引き継ぎのため職員からレクチャーを受け、支持者のあいさつ回りと目まぐるしく過ごした。この日は朝、ごみ出しをしてから弥彦神社に妻と一緒に参拝してから登庁した。
まず取りかかるのは、子育て支援の拡充、さらには高齢者の福祉医療。人口7700人足らずの弥彦村にとって少子高齢化で100人増えても減っても大きく、弥彦村に住みたいと思うファンを増やすことが重要と言う。
4月に子育て課を新設する。住民課や福祉課から横断的に職員10人ほどを課長を含め兼務として配属し、「定期的に情報交換しながらボーダーレスな子育てや保護者の支援を生活支援も含めて情報共有する組織をつくろうと思う」。
選挙戦では「弥彦一心」を掲げて融和を図ると訴えたが、「もうここへ来て、どっちだったとかこっちだったとかは、まったく考えていないので、その人たちと対話するのではなく、あらゆる人たち話をしながら自分たちを抱えてる課題や問題点を共有しながら村としてどういう方向にもっていくかやっていく」とした。
本間村長の父、本間道夫氏は1979年から87年まで村長を務めた。激しい選挙戦で初当選した本間道夫氏は、まず村民の融和を図ろうと当選翌年の80年に村民憲章を制定した。本間村長は選挙戦で村民憲章を一丁目一番地と訴えたが、40年以上のときをへて因縁のように再び父と同じように村民の融和から始める。
また、村長室に掲げられた歴代村長の写真を眺めて、父の次の村長に就任した安達行雄氏は、母の兄だと話していた。
以前から村長室には村民憲章の額がかけてある。職員は本間村長の意をくんで、訓示を行う本間村長のとなりにあるテレビモニターに村民憲章を移し、村長室前の柱にも大きくプリントアウトした村民憲章を張った。しばらくはあいさつ回りに忙しくなる。本間村長の訓示全文は次の通り。
本間芳之村長の訓示
皆さんおはようございます。本間芳之でございます。先の選挙で村民の負託を得まして、きょう、この日を迎えることとなりました。本当に緊張感でいっぱいでございますし、これからの村政を考えると、まさに身の引き締まる思いでいっぱいでございます。あらためまして今までの8年間の小林村政には本当に心から敬意を表したいというふうに思います。
また、これまで歴代の村長さんがおやりになられてきたいろんな村のため、村民のためを思ういろんな政策に対しても、しっかりと私は引き継いでまいり、新たな弥彦村の姿を皆さんと一緒につくってまいりたいというふうに思います。
私も行政経験はございません。皆さんの一人ひとりのお力をお借りし、いろんな議論を重ねながら、新しいやり方、新しい方法、新しい方向に向かって皆さんとともに歩んでまいりたいと思います。
皆さんのポテンシャルをさらに高めていただきながら、もちろん働き方改革にも着手し、皆さんの健康をしっかりと守っていきたいというふうに思いますけれども、最終的には何より村のため、村民の笑顔のためにしっかりと仕事をしてまいりたいというふうに思います。
いろんな私の掲げた35の約束については時間がかかったとしても、しっかりと着実に歩みを進めていきたいと思います。とにかく子育て、それから高齢者支援、そういった生活にかかわるすべてのことを最優先して取り組んでまいりたいというふうに思います。
また、もちろん村にはいろんなさまざまな事業があります。競輪や農業や工業、商工業、観光業、いろんなものがあります。すべてを視野に入れつつ、みんなが一丸となってこの新しい弥彦村をつくっていこうじゃないですか。10年先、20年先、30年先の将来を見据えた明るい弥彦村、笑顔あふれる弥彦村をどうか皆さん、僕と一緒につくっていきましょう。どうぞよろしくお願いいたします。ありがとうございました。