1月22日に東京都文京区・湯島天満宮で開かれた一般社団法人全国かるた協会主催の小倉百人一首競技かるた第36回全国小学生選手権大会の小学6年生の部で3位の好成績を収めた新潟県三条市の市立裏館小学校6年生、塩原愛椛(あいか)さん(12)は2月27日、滝沢亮三条市長を表敬訪問して戦績を報告した。
愛椛さんは、競技かるたを題材にした漫画『ちはやふる』にあこがれて2021年6月から三条市主催の子どもたちを対象に各種講座が開かれれる「わくわく文化未来塾」の「百人一首競技かるた入門講座」を受講している。
地元の三条九重会や新潟市で行われる練習会など、かるたが学べるならといろいろな場所に顔を出す。県内ではおとなも出場するE級やD級の大会で優勝。昨年9月には全国大会のD級初段認定大会で準優勝して初段に。県内の小学生で初段は愛椛さんひとりだけで、目を見張る長足の成長を遂げた。
今回の大会は初段以上が対象で、6年生の部は12人が出場した。試合はトーナメントで愛椛さんは3戦して2勝1敗、準決勝で敗れて3位になった。
表敬訪問で愛椛さんは父の遼さん(41)、母の聖恵(たかえ)さん(38)と市役所を訪れた。県内には同じ学年で同じクラスの人がおらず、大会出場はどきどきしたが、最近はコロナ禍で大会が少なかったせいか、ほかの人もどきどきしていたようすだったと話した。「話が通じて結構、ほかの人と仲良くなれて、試合はすごく楽しく臨むことができた」と頼もしい。
一方で「勝てると思ってなくて、逆に緊張しちゃって2試合目がすごいがちがちだったけど、自分の実力は出せたかなと思う」と小学生とは思えない落ち着いた口調で冷静に、雄弁に話した。
昨年9月にわくわく文化未来塾でかるたに向かう愛椛さんを見ている滝沢市長は「かなりセンスがいいとは聞いていたが、こんなにすぐに素晴らしい成績を挙げるとは」とキャリア1年半での進化の速さ、さらに体力や集中力にも驚いた。遼さんにとっても予想以上の結果で、「今回は1回、試合を経験して、観光して帰ろうって感じだった」と驚く。
まもなく中学生になるが、愛椛さんは「もっと上を目指していきたい。中学校では部活がなく、小学生よりも勉強も増えてきちゃうので、土、日曜の練習がすごい大事になってくると思う」と話した。
昨年の三条市の子ども議会で愛椛さんは一般質問に立ち、かるたの競技人口を増やすためのかるた大会の開催を滝沢市長に要望した。そのなかで日本一のクイーンを目指したいと愛椛さんが話していたことに滝沢市長がふれると、愛椛さんは「結構早く小学校5年生からかるたを始められたので、これからも頑張って、ちょっとでもクイーンに近づけていけたら」と願った。
次は映画『ちはやふる』の舞台にもなった滋賀県大津市の近江神宮で3月26日に開かれる全国競技かるた小・中学生選手権大会に挑む。
memo
滝沢市長は中学が高校の国語で百人一首を覚えたと話した。映画『ちはやふる』も鑑賞済みだった。百人一首にも明るい滝沢市長の新しい一面と思ったが、映画を見た理由のひとつは主題歌を歌ったのが、女性3人のテクノポップユニット、Perfume(パフューム)だったからとのことで、ひざを打った。滝沢市長のPerfume愛は筋金入りだ。