東大中退のラッパーのダースレイダーさんと新聞14紙を毎日、読み比べする時事能力検定1級の時事芸のプチ鹿島さんの選挙取材から生まれたドキュメンタリー映画『センキョナンデス』が2月18日から全国でロードショー上映されており、新潟県上越市の映画館「高田世界館」では上映初日の2月25日、2人が来館して舞台あいさつが行われた。
2人は時事ネタで語るYouTube番組「ヒルカラ ナンデス(仮)」を毎週、配信している。番組のスピンオフとして選挙取材を企画し、2021年の衆院選、22 年の参院選で選挙運動の現場へ向かい、十数人の候補者に突撃取材した。
衆院選では香川県の四国新聞の本社に乗り込み、参院選では大阪で取材した。その最中に安倍晋三元首相の銃撃事件が発生し、映画化への引き金になった。
高田世界館の初回上映は約50人が来場。その後に舞台あいさつが行われた。2人は映画のTシャツを着て「監督ナンデス!」とあるたすきをかけて登壇。この前後にも長野県での映画館があり、選挙運動さながらのせわしなさだ。
辻本清美参院議員は、テロ暴力に対してこのままではいけないというメッセージを出すうと、たすきをせずに、のぼりを立てずに街頭に立った。暴力という形で言葉を封じようとしていることに屈せずに、まちに出て言葉を発した。
ダースレイダーさんは「でっかいニュースやできごとに動揺してしてネットに書いちゃったりするが、僕らはいろんな人とちょっとずつどう思うか、僕はこう思ったという会話をできた」。プチ鹿島さんは「近くに信頼できる気心知れた人がいて、これについて言葉を失ったり、民主主義ってなんだろうとか、いろいろ話せたのは僕にとって救いだった」と振り返った。
ダースレイダーさんが「SNSでいろんな推測に基づく、いろいろ適当な断言がワーッてあったり。もし一人でいると、そういった情報に直撃しちゃって、そうなのかなと思ったり、そういったことが起こる」、プチ鹿島さんは当時の報道に「今から考えると適当なこと言っていた。本当にケロッと忘れて今は論評活動みたいなことしてる人もいる。そういうのを見て、この人は、いざというときにこういうことを平気で言っちゃう人なんだと、僕の野次馬ウォッチャーとしての認識をあらためた」。
こうした7月8日の映像をちゃんと撮ってる以上、映画になるのではと映画化の企画が進んだ。ダースベイダーさんは「有権者の周りにいる人たち全部、人、人、人で、これがおもしろい」と「人映画」であるとし、プチ鹿島さんも「まず人物を楽しむっていうところからでいい。おもしろいのは、やっぱり選挙はあくまで点と点、全部、通過点で、きょう、あすの選挙政治につながる」。
最後にダースレイダーさんは「きょう、この時間帯にじゃあ映画見ようと思ってくれた皆さんが集まってくれたからこういう場合なってる」、プチ鹿島さんは「本当にね、この映画館でこの支配人をを自慢に思っていい」と感謝した。
会場からの質問も受け付け、落選運動はどうしたら効果があるのか、香川県での上映予定はあるのか、四国新聞のことは意識したのかなど、次々と手をあげて2人に直接、質問を投げかけた。ほとんどの人がコアな2人のファンで、パンフレットを買い求めてふたりにサインしてもらっていた。
高田世界館での『センキヨナンデス』の上映は3月10日(金)まで。3月末から新潟市中央区・市民映画館「シネ・ウインド」での上映が予定されている。