新潟県弥彦村で日本航空の客室乗務員をはじめ女性社員が酒米づくりから醸造作業にかかわった日本酒が完成。4月1日に販売開始する。
昨年は酒類卸の新潟酒販株式会社(雫石明社長・新潟市西区流通センター3)と弥彦酒造株式会社(金子秀二社長・弥彦村上泉)で「女性による、女性のための日本酒」をコンセプトに女性社員でつくったしぼりたて生原酒「READY! LADY! READY!(レディ!レディ!レディ!)」を販売し、人気を集めた。
今回はそれに続く第2弾で、日本航空が加わって3社がコラボレーション。弥彦村上泉地内の田んぼで酒米「山田錦」を栽培し、日本航空の女性社員が田植えや稲刈りに挑戦。さらに弥彦酒造で麹(こうじ)造りやしぼりを行って完成させた。
中身は同じで、ブルーの「そら」瓶とピンクの「なでしこ」瓶の2種類あり、500mLで税別2,000円。3,500本ずつを販売する。ラベルはJALふるさとアンバサダーに着任している客室乗務員の小川良美さんがデザインした。
3日にホテル日航新潟でお披露目会が開かれ、日本航空新潟支店の筒井玲子支店長は、昨年5月の田植えから約10カ月でようやく完成した「そらとなでしこ」について、「香り豊かで非常に華やかな印象をもつと思う。味は丸みのとれた、しっかりとしなやかさが感じられ、食中酒にも合うし、どんな食材にもマッチすると思う」と話した。
女性の社会進出により女性の飲酒の機会は増えているが、ビールやワインと比べて日本酒は手に取りにくいと聞き、「女性や酒を飲み慣れていない人にもぜひ手に取ってほしい」、「この地域に行ってみたい、住んでみたいと思ってもらえる関係人口や交流人口を増やすことも大きな使命のひとつ。より活発なサステナブルな人流、物流、商流をつくり出していけたらと思う」と期待した。
デザインを担当した小川さんは、埼玉県出身だが、母のふるさとが新発田市。女性らしいデザインを心がけ、客室乗務員のアイコンであるスカーフを着けた女の子を線画で描き、デザインした。「泣きながら何十枚と手描きを繰り返し、何度も描き直してつくった」と苦労を話し、「多くの人に支えられて日本酒がこれだけ多くの人がかかわって日本酒がつくられていることを身をもって知った。素晴らしい日本酒文化、新潟の日本酒の魅力をより多くの人に伝えたい」と願った。
酒づくりの指導にあたった弥彦酒造の1級酒造技能士の国家資格をもつ女性蔵人、岡本裕美さん(54)は「皆さん初めてのことで、右も左もわからないなかでよくやっていただいた」と感心していた。「そらとなでしこ」に関する問い合わせは弥彦酒造(電話:0256-94-3100)へ。