「ものづくりのまち」として知られる金属加工業の集積地、新潟県燕三条地域で生まれた道具を大胆にデザインしたチョコレート、その名も「ツバメサンジョーチョコレート」が発売。燕三条の土産に最適で注目を集めている。
目を引くのが、紙のパッケージデザイン。燕三条地域で作り続けられる鎚起(ついき)銅器のやかん、ネジ、カトラリー、包丁、和釘、和ばさみ、工具などがそれぞれカラフルな色で並ぶポップでかわいい、目を引くデザインだ。ふたを開くと内側には、「ツバメサンジョーモノヅクリ」として、それぞれの道具の説明を入れた。
そして縦6.5cm、横13cmで50グラム。パッケージと同じデザインを凹凸のエンボス加工で表現。なかでもやかんの銅には金づちでたたいた跡の“鎚目(つちめ)”の表現してあり、鎚起銅器を知る人は、にやりとさせられる。
チョコレートの味は、ビターやミルコチョコなど4種類各760円とプレミアム2種類各900円の計6種類をラインナップしている。
「ツバメサンジョーチョコレート」を発売したのは、2017年に三条商工会議所近くにオープンした更科賢祐さん(39)、真由美さん(39)夫婦が営む「パティスリー ルーツ(Pâtisserie ROOTS)」(三条市須頃1)。燕三条に育ち、燕三条をこよなく愛し、これまでも燕市に伝わる天神講菓子にちなんだ「天神講チョコレート」、燕市のカトラリーをかたどった「つばめさんじょうクッキー」を発売している。
新たな燕三条の土産になる商品のアイデアを練っていたところに、商品化を考えていたところに、チョコレートの型を製造する燕市の有限会社サカタモールドから営業があり、渡りに船。そこから「ツバメサンジョーチョコレート」を企画した。
店のロゴの制作を依頼した新潟市のデザイン会社にデザインを頼んだ。残念ながら目指した2月14日の「バレンタインデー」前の発売には間に合わず、2月末に発売した。
映えるパッケージデザインはSNSでもじわじわと広がり、SNSで知って買いに来てくれる人も居る。また、購入した人もSNSに投稿し、好循環が生まれている。
更科さんは「燕三条のPRに私たちも何かできないかと考えたときに、こういう形になった。このチョコレートをきっかけに持ち帰った先で燕三条の話をしてもらえたらうれしい」と話している。
ただ、チョコレートは気温が上がると品質が低下するため、販売は4月いっぱいまでの予定。クッキーは割れやすい弱点があり、「次は割れにくくて夏も販売できる燕三条をPRできる商品を考えたい」と話している。
「ツバメサンジョーチョコレート」は同店だけでの販売だが、道の駅での販売も考えている。問い合わせは同店(電話:0256-47-1075)へ。