新潟県三条市は「春分の日」の21日、燕三条地場産業振興センターで成人式に代えて初めての「二十歳を祝う会」を開いた。恒例の「春分の日」の開催、マスク着用は個人の判断、中止してきたアトラクションの復活と、久しぶりにほぼ正常化したが、出席率は昨年11月の前回成人式の71.3%を下回った。
対象者938人のうち男325人、女318人の643人が出席して出席率は68.6%。本来の形での開催に戻り、感染拡大も収まっているだけに、前回を上回る出席率になると思われた。
実際、三条市より2日早く19日に「二十歳のつどい」を開いた燕市の出席率は73.3%で、前回11月の成人式の69.7%を上回っている。
晴れてこの日の最高気温は5月中旬並みの22.0度の汗ば陽気が祝福するなか、式典、アトラクション、記念写真撮影を行った。
副実行委員長の新潟大学2年茂野凛花さん(20)=栄中出身=が代表して市民憲章を朗読。滝沢市長は式辞で、自身が出席した2006年の三条市成人式にふれた。この日は午前中にWBCの準決勝で日本代表が高かったが、滝沢市長の成人式ではWBCの決勝と重なり、「試合の途中経過にやきもちしながら成人式を参加した」。
二十歳を祝う会に名前を変えて久しぶりに正常な形での開催となったが、感染禍の3年間で「充電していたエネルギーをひしひしと感じる」、「蓄えたエネルギーを自分自身のため、未来のためにいかんなく発揮してほしい」。うまくいかないときは無理せず前に進もうとせずに、いろんな人に相談して「ゆっくり立ち止まってみるのもいい」とアドバイスした。
そして「決して暗くなって下を向くのではなく、常にポジティブに前向きに前だけを見ていただきたい。そうしていれば休んでいたとしても、必ず明るい道が切り開けてくる。そのようなときに勇気をもって一歩、前に進んでみてくほしい。私たち三条市民はこれからもずっと皆さんを応援している、皆さんのサポーターです」と約束した。
祝辞で阿部銀治郎市議会議長は、どうしたらいいか迷い、立ち止まってしまうときに「背中を押してくれるのは、皆さまにとっても大切な方々。信頼できる人たちから力を借りることも自分という軸をもつうえでは大切なこと。それぞれがしっかり自分の意見をもち、強い志を基に仕事や学業など目標に向かって突き進んでいただきたい」と求めた。
実行委員長の接客業松下梨々香さん(20)=大島中出身=が「二十歳のことば」を述べた。松下さんは、これまで三条で見てきたさまざまな景色を振り返り、「先人たちが守ってきたこれらの景色を今度はわたしたちが守っていく番。これからは、この大好きな三条に恩返しができるように成長していくことをここに誓う」と話し、閉式した。
アトラクションの3択クイズでは、三条市のふるさと納税第1位の商品は(正解:キッチン用品9点セット)、三条市が誕生したときの人口(約33,000人)、滝沢市長が2011年に登頂した山は(キリマンジャロ)、三条に初めて郵便局ができたのはいつ(明治5年)と三条市に関連した質問を出し、全問正解した人に景品の市内福祉施設が作るトイレットペーパー「三条弁ロール」などをプレゼントした。
入り口にはこれまで通り自動検温計を設置し、消毒液を設置したものの、マスクの着用は個人の判断に委ねたが、マスクを外したのは一握りだった。自分の名前が書かれたのぼり旗を持参した人もいたが、2日前に行われた燕市と同様、式典中に私語をする人もなかったが、プログラムが終わると外に出て話し込み、多くは夜の飲み会の約束をして別れていた。