16日(日)に新潟県燕市の大河津分水桜土手で行われる「つばめ桜まつり」のハイライト「分水おいらん道中」に向け、公募で選ばれたおいらん役の3人は3回の練習を行っておいらんの歩き方を体得している。
7日は2回目の練習を行った。おいらんは幇間(ほうかん)役の肩に手をかけ、高さ15センチもある3枚歯の黒塗の高げたをはいて歩く。ただ歩くだけでなく途中でいったん足を止めて、外八文字と呼ばれるおいらん独特の足の運びを披露する。
外八文字はおいらん見せ所。腰を落とし、踏み出すつま先を内側に向けて高げたを大きく外側へ振りだしてすらせながら前へ運ぶ。足腰に大きな負担がかかる所作だ。
1回目の練習はふつうに歩くだけだったが、この日は初めて外八文字を練習した。毎年、指導にあたっている地元の日本舞踊花柳流・花柳寿之柳さんは、「かかとを回しちゃだめ。つま先を回して」、「体を真っすぐにして立って」、「見栄えがしないからしっかり胸を張って。そうすれば着物もきれいに見える」と歩き方のこつやきれいに見えるポイントをアドバイスした。
あわせて「とってもいいですね。自身をもって」と励ますことも忘れない。「外八文字の覚えもいいし、全体的にすごくいいと思う」と太鼓判を押していた。
「信濃太夫」に会社員前田まどかさん(26)=燕市=は「足腰をすごく使うし、体幹もぶれないようにしなければならないので、体力がいるものと実感した」、「桜太夫」の大学生金塚萌絵さん(20)=新潟市中央区=は「ひざが痛い。でもうまくできて良かった」、「分水太夫」の会社員田中美沙紀さん(25)=新潟市北区=は「注意しなきゃいけないことがたくさんあってとても難しかった」と話していた。
12日に最後の3回目の練習を行う。また、おいらん役の3人は参加できないが、12日夜はJR臨時列車快速「夜桜Shu*Kura」が分水駅に到着し、地元の人たちで歓迎する。