1716年創業の奈良の老舗、株式会社中川政七商店(千石あや十四代代表取締役社長・奈良県奈良市)は21日、新潟市中央区の商業施設「万代シテイビルボードプレイス」2階に社名を冠した生活雑貨ブランド「中川政七商店」をオープンした。これにより同社の直営店は58店舗、うち「中川政七商店」ブランドは50店舗となった。
全国約800のつくり手と協業して生まれた暮らしの道具を中心に、日本の染色を生かした衣服、産地の風土に根ざした食など日本全国、その土地ごとに受け継がれてきた職人の技や思い、知恵が息づく約2,500点をそろえた。広さは約57坪で同社では大型の店舗となった。
グランドオープンを記念して5月9日まで特別企画「新潟のものづくり展」を開き、新潟ならではの品々を集めた。パン切り包丁などで同社も開発にかかわった三条市のタダフサの包丁や燕市のサミット工業の鉄鍋、工房アイザワのランチボックスなど燕三条地域で生まれた製品も並ぶ。
昨年6月に開催した期間限定ショップが好評で、満を持しての出店で、県内ではこれが初出店。同社の十三代中川政七代表取締役会長は、2010年に三条市の「ものづくりのまちシンポジウム」でパネリストを務め、三条市で経営力向上人材育成塾やコンサルティング事業の講師も担当。16年には中川政七商店が三条市で大日本市博覧会「新潟博覧会」を開いており、燕三条地域とも縁が深い。
同店では「予想以上の反響。ECサイトや関東の店舗を利用している人も結構、多く、やっと新潟へ来てくれたと、すごく温かく迎え入れていただいている」と喜んでいる。