落雷による火災に見舞われて焼失した新潟県弥彦村の 認知症対応型介護施設「グループホームこいて」を再建、7月の利用再開を目指す新築工事の地鎮祭が25日、現地で行われた。
「グループホームこいて」は矢作地内の小高い「きらめきの丘」で2002年3月に開所した。昨年11月8日に落雷のため火災が発生、焼失。入所者を「けいりん会館」に移し、村はすぐに1日も早い再建の方針を固めた。
新施設は、村有地の弥彦体育館前の旧テニスコートを建設地に、ことし5月末の完成を予定した。しかし消防署に近く、大きなサイレンの音が聞こえるためふさわしくないという意見があったため、建設地を再検討し、完成時期を遅らせることにした。
これまでと同じ場所での建設を検討したがネックとなったのが、燃えた建物から20メートルほどの所に立つ携帯電話会社の鉄塔。真偽のほどはわからないが、この鉄塔ができてから落雷が増え、火災の原因になったのではないかというのが、地元住民の共通理解だ。
鉄塔がある限り同じ場所での再建は考えられなかったが、携帯電話会社と交渉した結果、2月に入って携帯電話が鉄塔を7月下旬に撤去する見通しとなったことから現地での新築に決まり、25日の地鎮祭となった。
新しいグループホームは、以前の建物の隣地に建設する。木造平屋建てで、これまでより100平方メートルほど狭い262平方メートル。居室はこれまでの6.4畳から6畳に少し小さくなる。本体工事は1億2,565万円で7月20日に完成、30日の利用開始を予定する。
指定管理者はこれまで通り社会福祉法人桜井の里福祉会で、9人が入居、4人がデイサービスを利用していた。以前の建物は解体撤去中でまもなく終了する。
また、新たに避雷針を立てても雷を呼ぶ可能性が強いことから、雷が落ちにくくなるとされる「避雷球」を設置することにした。
地鎮祭で本間芳之村長は利用者に不便、不自由をかけていることをわび、「また、この地でグループホームを開始することは何よりも利用者の心の平安のためにはいちばんいい場所と思う」と関係者の協力に感謝した。