新潟県弥彦村と一般社団法人日本石材産業協会新潟県支部は25日、大規模災害で著しく住民の生活や避難の支障になる倒れた倒れた墓石や石碑、モニュメントなどの除去や移設、それに必要な専門家や機材の速やかなサポート体制を構築しようと「大規模災害発生時における応急対策業務に関する協定」を締結した。
日本石材産業協会新潟県支部から支部長の林敏雄支部長(長岡市・林石材店)、齋藤繁樹副支部長(新潟市北区・齋藤石材店)、地元の会員の泉谷正弘さん(弥彦村・泉谷石材工業所)の3人が村役場を訪れ、本間芳之村長と林支部長が協定書に調印した。
日本石材産業協会では、数年前から全国に呼びかけて協定締結に取り組み、新潟県支部でも3年ほど前から県内の自治体と協定締結を進めている。
新潟県支部では、これまで三条市、新潟市、長岡市、新発田市、村上市と同様の協定を結び、引き続き燕市、見附市、胎内市、十日町市とも協定締結に向けた作業や話し合いが進んでいる。ことし2月までに協定を締結した市の世帯数は、県内の世帯数の62%になった。
2019年10月に長野県で台風19号による大雨で千曲川の堤防が決壊、氾濫した大規模な災害で、現地での日本石材産業協会による復興作業に林支部長も1日半、参加してボランティア活動にあたった。
林支部長の予想を上回る全国から23社もの参加があった。大阪から前会長が訪れて陣頭指揮をとり、「本部も本気になってそいういう活動に取り組んでると思った」。
2004年に新潟中越地震があり、林支部長の裏山が中心的な被災地なった山古志村。その前年に山古志村に石で作った闘牛碑も自身で傷んだが、林支部長の力ではどうすることもできず、日本石材産業協会の本部に2回、連絡したが、2回ともなしのつぶてだった。
林支部長は「当時はそんな状況だったが、ここ数年、一生懸命、取り組んでいただいている」と喜び、「災害協定を各市町と結び、これからも一生懸命、努力して皆さまの役に立つように頑張って、また事に当たろうと思っている」と決意を話した。
また、弥彦村にある弥彦神社を大きな財産のひとつで、そこには石の建造物がたくさんあり、「心の復興に役立つものだと思っている」。
今回の弥彦村との協定締結は、地元の会員、泉谷さんから村への提案で始まった。本間村長は近年、全国で大規模災害が多発するなか、「石材構造物の倒壊などの復旧作業などサポート体制は大変、重要」で、「本協定を締結できることは大変、心強く感じている」と感謝し、期待した。