新潟県加茂市は公共施設の適正化に向けて1日、株式会社オリエンタルコンサルタンツ(東京都渋谷区本町3)の江川等章(えがわ・たかあき)さん(46)を派遣社員として迎え、社会価値創造推進員に委嘱した。客観的な指標に基づいて需要を可視化し、公共施設の保有量を長期的な視点で適正化するための「公共施設再編アクションプラン」の策定に取り組んでもらう。
総務省の地域活性化起業人制度を活用した。公募して唯一、応募のあった建設コンサルタント・株式会社オリエンタルコンサルタンツ(東京都渋谷区本町3)と加茂市地域活性化起業人に関する協定を締結した。
江川さんは富山県富山市出身。2011年から同社に勤務し、21年から北陸支社事業企画部に配属され、官公庁、民間企業への企画提案営業活動に従事していた。資格は、認定ファシリティマネジャー、技術士経営工学部門サービスマネジメント、技術士総合技術監督部門経営工学-サービスマネジメントを取得している。任期は来年3月31日までで、さらに1年単位で2年間、延長できる。
藤田明美市長は9日の定例記者会見で、「(同社は)革新(イノベーション)と変革(チェンジ)と挑戦(チャレンジ)をテーマに社会価値創造企業になることを企業のビジョンとして掲げている。施政方針でも申し上げた通り課題解決を先送りせず、変化を恐れず、課題を伸びしろととらえてチャレンジし、今と未来の加茂市民のために前進を続けていく加茂市のパートナーとして、これ以上の企業はないと感じている」と期待した。
具体的には、公共施設の現状を把握し、公共施設の利用状況やそれぞれの公共施設の必要性、老朽化した施設の複合化や集約化などを判断してもらう。
江川さんは今回の協定の締結に向けた取り組みを進めてきた当事者。「加茂市の明るい未来のために全力を尽くしたい。公共施設の問題を解決するのが第一の目的。加茂市にたくさんある魅力を今後、社会価値としての残していけるような活動をしていきたい」と話している。
地域活性化企業人(企業人材派遣制度)は、地方公共団体が三大都市圏にある民間企業などの社員を一定期間、受け入れてそのノウハウや知見を生かしながら地域独自の魅力や価値の向上につながる業務に従事してもらい、地域活性化を図る取り組みに対する特別交付税措置。昨年4月に三条市の特命空き家仕事人に着任した株式会社ジェクトワンの熊谷浩太さんもこの制度を活用している。