公務員の定年引き上げに向けてベテラン職員の体力維持を図ろうと新潟県の燕・弥彦総合事務組合消防本部(管理者・鈴木力燕市長)は、全国に先駆けて「消防職員健康保持増進プログラム」を導入している。
公務員の定年は、9年後の2032年度には65歳定年制に移行する。燕・弥彦総合事務組合消防本部は、移行時点で50歳以上の消防職員が半数以上を占める見込みだ。
昨年11月、総務省消防庁は高齢期職員が現場業務で引き続き活躍できる体制の確保の取り組みとして「消防職員の体力維持プログラム」の策定などの指針を示した。
これを受けて燕・弥彦総合事務組合消防本部は、ことし2月にリニューアルオープンした燕市の吉田トレーニングセンター「ビジョンよしだ」に施設の利用をさせてもらえないかと話をもちかけた。
「ビジョンよしだ」はリニューアルで最新鋭のトレーニングマシンを設置したタイミングでもあった。指定管理者の燕市スポーツ協会・ミズノグループも協力してくれることなり、50歳以上の職員46人を対象に「消防職員健康保持増進プログラム」を導入することになった。
プログラムはトレーニングマシンの利用だけにとどまらない。体力テストの実施、体組成分析測定とヒアリング、専門スタッフによる個人に合ったトレーニングメニューの提供、トレーニングの実践と目標、体力テストの再実施と成果評価など総合的で充実している。
開館してない午前の時間を使い、非番職員が最低でも週1回、2時間以上のトレーニングが目標。1日にスタートし、10日はそのようすが公開され、職員14人がランニングマシンやウエイトトレーニングで汗を流した。
吉田消防署の高橋隆保副署長(55)は、体力の衰えを感じる年齢になっているが、「自分ではジムに通っていないので、体力の維持向上に非常にいい」、「今まで以上に体力がつきそうな気がする」と話していた。
齋藤康弘本部次長は体力テストや成果評価をトレーニングにフィードバックできることによる効果に期待し、「来年度も予算がとれれば継続していければ」と話した。