新潟県弥彦村のブランド米「伊彌彦米(いやひこまい)」の豊作を願って11日、弥彦村大戸地内の田んぼで令和5年産伊彌彦米の御田植え祭が行われた。
弥彦村農業振興協議会(会長・本間芳之弥彦村長)主催で行い、村職員と農業関係者ら20人ほどが参加した。祭壇を設けて弥彦神社神官がはらいを行い、豊作を祈願する祝詞の奏上、玉串奉納に続き、御田植えの儀を行った。
鍬入れを行ったあと、参列者は一列に並んで農薬や化学肥料を使わずに育てる「伊彌彦米 零(ゼロ)」の苗を手植えした。さらに水が枯れないことを願って神官が田んぼへ水を入れる口に御幣(ごへい)をさした。
弥彦村では2016年から特別栽培米の「伊彌彦米」のブランド化を推進しているが、記録的な猛暑により県内の米の著しい品質低下を招いた19年、弥彦村の一等米比率は県内で最下位の5%にとどまった。
2年続きの品質低下は何としても回避しようと翌20年に初めて豊作祈願祭を行い、続く21年から毎年、御田植え祭を行っているが、昨年も1等米比率は50%ほどにとどまっただけに、関係者のことしの豊作の願いは強い。
本間村長は「秋になれば豊かな稲穂が実って皆さまの食卓へ届けたい。おいしい米を皆さんに食べていただきたい」と願った。