新潟県三条市・八幡宮(藤崎重康宮司)の春季例大祭として14日(日)、15日(月)の2日間、行われている三条祭り。15日は朝のうち小雨がぱらついて天気が心配されたが、予定通り午後0時45分に大名行列が出発して市中を払い清めている。
三条祭りの大名行列は、神輿渡御(みこしとぎょ)を伴う10万石の格式とされ、1822年(文政5)から受け継がれているとされ、三条市の指定文化財ともなっている。
三条若衆会の齋藤和也会長と三条祭り祭典委員会の吉井直樹委員長があいさつして出発。先導する奴の「えーとまーかせー!」のかけ声も勇ましく、それにてんぐ、弓持や鷹匠の子どもたち、三条祭り若衆会、神職、囃子方(はやしかた)などが続いた。
行列の花形はてんぐ。高さ約60センチもある高げたをはいて歩く。てんぐが立ち上がるとその高さに見物する人たちから「おーっ!」と声が上がった。
行列の要は、八幡宮がまつる御霊(みたま)を載せた2基の神輿。昨年は感染防止のため、参道の露店の出店は片側だけだったが、ことしは両側出店。そのため道幅が狭く、神輿が通るにはぎりぎりで、露店にぶつからないように神輿をコントロールするため、大きな声が飛び交い、感染禍前の三条祭りが戻ってきた。
大名行列は田島の諏訪神社まで進み、午後5時から八幡宮に神輿が戻って舞い込みが行われる。
また、ことしは日用雑貨を使って世相を風刺した三条ならではの人形を作る傘鉾(かさぼこ)が4年ぶりに復活し、6基が行列に加わった。恒例のコンクールは行わなかったが、うち4基が先のWBCでも大活躍したメジャーリーガーの大谷翔平選手がモチーフだった。