ことし秋、絵本『ごんぎつね』で知られる新潟市出身の絵本作家、黒井健さんの作品をデザインしたラッピングトラックが新潟県燕市を走ることになった。
燕市は2016年、黒井健さんに絵札の原画を描いてもらってご当地かるた「つばめっ子かるた」を作成した。その原画を拡大や縮小、背景などに変更を加えてデザインしたラッピングフィルムを、4トントラックの左右のサイドパネルとリアドアに張る。
今年度スタートした第3次燕市総合計画で掲げる「子育てするなら燕市で」のキャッチフレーズも入れた。デザインに使った絵札も、それにあわせて豊かな環境で楽しく暮らす子どもたち描かれたものを選んだ。
このラッピングトラックを走らせるのは、新潟運輸株式会社(坂井操代表取締役社長・新潟市中央区)。10月に新潟運輸燕支店(燕市物流センター4)に導入する新車1台をラッピングトラックにして燕市内の集配で走る広告塔となる。
昨年10月、新潟県と県観光協会は、新潟運輸の協力で世界文化遺産登録を目指す「佐渡島の金山」がテーマのラッピングトラック3台を制作し、都心で運行されている。これが新潟運輸にとって初めてのラッピングトラックとなった。今のデザインのラッピングトラックは1年間の運行を想定している。
新潟運輸はことし10月、80周年を迎える。その記念事業として県内の自治体に照会して12支店に1、2台ずつラッピングトラックの導入を進める。
燕市の鈴木力市長が新潟運輸に「ぜひいちばんにうちでと、こちらがお願いした」ことから燕市がその第1号となった。次は翌週、新潟市での導入を発表するほか、2つの自治体で導入に向けて協議が進んでいる。
燕市と新潟運輸は25日、ラッピングトラックの運行を含む地方創生に関する包括連携協定を締結した。新潟運輸が自治体と包括連携協定を結んだのは燕市が初めて。
ラッピングトラックのデザインは燕市が提案し、黒井健さんの承諾を得て、最終確認してもらって完成させた。このトラックが市内、県内を広く動き、燕市のイメージを広報できたら」と感謝し、
新潟運輸の坂井代表取取締役社長は「これを基に燕市と災害、PR、子育ての応援も含めて市長と手を組みながら一生懸命、まい進していきたい」と話した。