東京五輪でコソボ柔道チームのホストタウンになった新潟県三条市と協力関係を築こうと駐日コソボ大使館のサブリ・キチマリ大使が三条市を訪れたが、すでにコソボと1億円を超える取り引きした会社が燕市にある。
それは本宏製作所グループ(新潟県燕市)の業務用映像機器の企画などを行うアルビクス株式会社(長谷川信司社長・燕市吉田法花堂)。コソボ国営放送局(RTK)に2017年に約8,000万円、22年にも約5,000万円の放送用機器やシステムを納入した。
いずれもODA(政府開発援助)のコソボ国営放送能力向上プロジェクトの入札があり、アルビクスは取引先からの勧めで参加して落札した。
そうした縁から2019年の世界柔道選手権に向けたコソボ柔道チームの三条市での事前合宿では、地元の果物などをチームに差し入れした。21年のコソボ選手団と三条市民をオンラインでつないだ交流イベントでは、本業を生かしてオンライン配信を裏方で担当した。
27日、サブリ・キチマリ大使「道の駅 庭園の郷 保内」の見学に訪れたタイミングにあわせて三条市民でもある長谷川信司社長(49)は、ホストタウンの実行委員長だった会社社長・梨本次郎さん(49)=三条市=とともに面会に出向いた。長谷川社長がコソボへの納入実績を話すと、初めて知ったサブリ・キチマリ大使は驚いた。
サブリ・キチマリ大使は、「コソボの市民は三条市のことを良く知っている。放送局も三条市のことを伝えている」とアルビクスの貢献に感謝した。
長谷川社長は「大使に会えて光栄です。緊張しました」と言い、柔道のつながりもそうですが、近い関係だから今後も協力できるところは協力したい」と話していた。