新潟県三条市の下田地区に伝わるほかに類を見ない「ごんぽっ葉」を使った笹(ささ)団子。地元の「道の駅 漢学の里しただ」は11日(日)、笹団子祭りを開いて地元の6事業者が作る笹団子を販売する。
笹団子は昔ながらの越後名物。ヨモギ団子をササの葉でくるみ、スゲやイグサのひもで結んで蒸したりゆでたりして作る。新潟県にはなじみの菓子だが、下田の笹団子は、ごんぼっ葉を使うのが大きな特徴だ。
ごんぼっ葉とは、多年草のオヤマボクチの葉の地元での呼び名。うちわほどもある大きな緑の葉だ。これをヨモギの代わりにつなぎとして練り込むことで、一般的な笹団子に比べてもちもちと歯ごたえのある食感を楽しめる。
笹団子はササの葉が柔らかくて使いやすい6月が旬。下田では今ではオヤマボクチを栽培しているが、かつて山に育っているオヤマボクチを採ってきて笹団子に使っていたころは、いつまで山に入ってオヤマボクチを採ってはならないと、いわば採取解禁日の申し合わせまであった。
このごんぽっ葉 笹団子、なぜが下田ならでは。一部、近隣でも作っているところはあるようだが、流通しているのは下田だけと言う。この独特の食感や風味を求めて市外から買い求めに訪れる人もいる幻の笹団子だ。
「道の駅 漢学の里しただ」では、ふだんから1個150円で販売しているが、最盛期に地元のごんぼっ葉 笹団子を集めて販売するのが笹団子祭り。これまで感染禍もあってことしは3年ぶりの対面販売となる。
販売する事業者は「道の駅 漢学の里しただ」をはじめ、「森の工房 くま」、「ふーど工房 ゆうこ」、「仁右衛門」、「みどりフーズ」、「粟の里」。販売価格はいずれも5個800円で統一し、11日午前9時から販売、なくなりしだい終わる。問い合わせは「道の駅 漢学の里しただ」(0256-47-2230)。