7月17日(月・祝)まで富山県美術館(富山県富山市)で加茂市出身でことしが没後30年となった写真家、牛腸茂雄(ごちょう しげお・1946-83)の作品を含む企画展「『前衛』写真の精神:なんでもないものの変容―瀧口修造・阿部展也・大辻清司・牛腸茂雄」が開かれている。
日本の写真史で前衛写真は1930年代に台頭。38年に「前衛写真協会」が結成され、その中心人物の富山出身の瀧口修造、一緒に協会を立ち上げた阿部展也、その2人の影響を強く受けた大辻清司、そして大辻の愛弟子の牛腸茂雄の4人の前衛写真家の作品を展示している。
1930年代の前衛写真から80年代への展開のなかに連綿と流れてきた瀧口の思想の様相を、4人の作品や資料を中心にウジェーヌ・アジェ、マン・レイなど関連作家の作品を加えて紹介している。
牛腸は、技巧に凝らず日常を誇張なしに撮影した「コンポラ写真」の代表的なひとりとして注目された。この企画展のキービジュアルには牛腸の写真集『SELF AND OTHERS』に収録された作品が使われている。
6月27日(火)まで前期展、29日(木)から7月17日(月・祝)まで後期展。開館時間は9:30〜18:00(入館は17:30まで)、毎週水曜は休館。観覧料は一般900円、大学生450円、高校生以下は無料。