7月9日まで「道の駅たがみ」(新潟県田上町)で開かれている「あじさいフェア」の一環で6月18日、県立三条東高校書道部が書道パフォーマンスを披露した。
1年生から3年生までの部員7人全員が参加。屋外の大型テント下で3×5メートル、5畳分近くもある2枚の大きな紙に部員たちが考えた詩を筆で書いた。
一方は昨夏、24時間テレビ新潟のイベントでも行った書道パフォーマンスで考案したもの。番組のテーマ「会いたい」に合わせて中心に大きく「光」、もう一方はあじさいフェアにちなんで来場者からアジサイ色の色紙を張ってもらってから中央に「晴」、アジサイの花言葉「和気藹藹(わきあいあい)」を書いた。
部員は黒いはかまに七色のたすきを掛け、立ったまま前かがみになり、音楽にのってタイミングを合わせ、体全体を躍動させるようにダイナミックに筆を走らせた。
筆を持っていないときも、ぽんぽんを振ったりアジサイ色に塗った傘を回したりするパフォーマンスも。完成した作品を傾けてよく見えるようにすると、見物していた人たちからは大きな拍手が上がった。
見学に訪れた近所の女性は「生で書道パフォーマンスを見たのは初めてで、本当に感激。子どもたちの体がぶつからずにかけてるのもすごくて、涙が出そうでうるうるしっぱなしでした」と感動していた。
三条東高校書道部は、2008年に始まった書道パフォーマンス甲子園の出場を目指してこの年から書道パフォーマンスに取り組んだ。県央地域の高校の書道パフォーマンスの先駆けとなり、注目を集めた。
しかし感染禍で書道パフォーマンスは発表の場を失った状態が続いた。昨夏の24時間テレビのイベントで復活したが、感染禍前を知る部員はすべて卒業してしまい、かつて30人前後を数えた部員も大きく減ってしまった。
今回の書道パフォーマンスに向けて部員OGが指導し、当日も3人のOGがパフォーマンスを見守った。部長の3年生坂口冬音さん(17)=燕市=は、「楽しくできて練習の成果を出すこともでき、とてもいいパフォーマンスでした」と声を弾ませていた。
完成した作品は「あじさいフェア」の期間中、「道の駅たがみ」の情報発信休憩施設棟に展示している。