10月28日(土)に新潟県三条市で初めての野外音楽フェス「Tsubamesanjo, Japan Fes.(ツバメサンジョウカンマジャパンフェス)」の開催が発表された。26日(木)から29日(日)までの4日間は燕三条地域で「燕三条 工場の祭典」、26日(木)、27日(金)は燕三条地場産業振興センターで「燕三条ものづくりメッセ」が開かれ、この期間に集中して燕三条地域がいまだかつてないような大きな注目を集める。
23日に開催発表の記者会見が行われた。株式会社ドッツアンドラインズ(新潟県三条市)と株式会社LAND(東京都渋谷区)で実行委員会を組織して主催。出演者は第1弾として米国のシンガーのアロー・ブラック(Aloe Blacc)、川谷絵音がギター・ボーカルの「indigo la End(インディゴ ラ エンド)」、SNS総フォロワー330万人の現役女子高校生インフルエンサー「MINAMI(みなみ)」が発表された。
10月26日(木) | 10月27日(金) | 10月28日(土) | 10月29日(日) |
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燕三条 工場の祭典 | |||
燕三条ものづくりメッセ | Tsubamesanjo, Japan Fes. |
出演は8組ていどを見込み、1万人規模を目指す。県内ではフジロックをはじめ、長岡米百俵フェス、音楽と髭達、アース・セレブレーションなどと並ぶようなフェスになりそうだ。
この取り組みは、LAND社長の和田直希さんとモデルの益若つばささんが共同編集長を手掛けるファッション・カルチャー誌『TOKYODOT002』の取材で、燕三条地域を訪問したことに始まる。
「日本のいろいろなところを回りたい」、「市長や行政の人と話したい」、「工場のいけてる人たちとも話したい」、「おいしいご飯も食べたい」といった希望で検索して見つかった地が燕三条だった。
2人は昨年2月に燕三条を訪れ。せっかくならと燕三条を取材し、『TOKYODOT002』にドッツアンドライズ代表取締役の齋藤和也さんと滝沢亮市長が「BEYOND TOKYO」としてそれぞれ3ページを使って掲載された。
その後、フェスの開催を思いついた齋藤さん。実現のためにロサンゼルスにいた和田さんを訪ね、思いの丈をぶつけ、実現に向かった。
齋藤さんは、若者、地方創生、若者の担い手不足、人口減少、子どもたちが夢をもっていないという現状に危機感をもち、「いろんな人に思いを伝えて、今までできなかったことを別のアプローチからやるっていうのが、今のこの地域には必要ではないかと思った」のがフェスの構想に結びついた。
「いろんな文化やいろんなものが混じった、本当に世界で初めてのフェスになると思うので、ぜひわくわくして皆さまには参加してほしい」と期待を楽しむ。
フェスのあとも「ずっと燕三条と関われる仕組みっていうのも地域の皆さんと構築したいなと思っているので、盛り上がって終わりではなくてフェスをきっかけに燕三条にどんどん足を運び、最後に住んでみようというふうに動線をつくれるように地域の人と頑張りたい」と決意を示した。
益若さんは「燕三条に住む人も何か主役になるものが実現できたら」、「燕三条は世界に通用するすごいものを作っていることを広げていけたら」と願った。
さらに「いろんな力がある人たちが集まると、流行はつくれるものと思っている。それが今回このフェスでも起こせるんじゃないのかなと思う」、「ひとつの流行つくっていくという気持ちでやっていったら絶対に楽しいフェスになる」と自身も期待を膨らませている。
三条市はフェスを後援する。滝沢市長は「みんなでこの地域で楽しめる、この地域に自信をもてる、自慢できる最高の機会になると思うし、わたしたちとしても最高のチャンスをつかみとれるように準備、お手伝いに協力したい」と約束した。
フェスに関連してさまざまな仕掛けを用意している。フェスの表も裏も見せる、燕三条の特製のエコ袋を作ってドリンクのごみを減らすゼロ・エミッション、若者を集客する学割も設定した。
チケットが燕三条市の住民票になるような形の取り組みを検討。チケットを買わなかった人もタ楽しめる趣向も考える。プレミアムチケットにはフェス後に燕三条のどこかで一緒に盛り上がるアフターパーティーの特典も用意する。
齋藤さんは工場の祭典の実行委員長でもあり、フェスと合わせ日程が重なる2つの大きなプロジェクトで大役を務めるのは困難も予想される。
これだけ大規模なフェスは三条市でも初めて。会場に近い自治会などから快く開催を了解してもらったとはいえ、ほかの県内のフェスと違って会場が市街地に近く、周辺道路の渋滞も予想しにくく、不安をあげたらきりがないが、チャレンジングな熱い10月後半まであと4カ月だ。