7月15、16日の2日間で行われる新潟県燕市燕地区の夏まつり「飛燕夏まつり」。4年ぶりに盛大に行われる燕1000人みこしを前に25日、みこしの清掃、点検し、PR渡御(とぎょ)を行って3週間後に迫った本番に向けて気勢をあげた。
燕1000人みこしは1990年始まった。最初の年は半てんを作り、翌年から彫金、鎚起銅器、金属加工燕の技術を結集した鎚起みこしを製作。続いて純銀みこしを作り、さらに市民から寄付を募って数年がかりで純金みこしと、3基のみこしをそろえた。
感染禍で飛燕夏まつりが中止になったが、昨年は規模をしぼって金みこしだけ担いだ。ことしは鎚起みこしを除き、金、銀のみこしとレンタルみこし子どもみこしを担ぐ。
鎚起みこしは担ぎ棒を含めて1トンもの重さがあり、担ぎ手が多く必要で久しぶりなので安全に不安もあることから、ことしは担ぐのを見合わせた。担ぎ手は11団体、加えて燕市・分水神輿會、三条市・天照会も参加。また、特別ゲストとしてピン芸人の「あばれる君」がやってくる。
25日はJR燕三条駅で鎚起みこし、燕市中央公民館で銀みこし、燕市産業史料館で金みこしとそれぞれみこしを保管している場所へ出向き、担ぎ手ら30人ほどが参加して清掃、点検を行った。
最後に燕市産業史料館前でPR渡御を行い、一足早く威勢のいいかけ声を合わせて金みこしを担いだ。本格的なみこしを出すのは4年ぶりとあってみこしを組み、担ぎ棒を取り付けるのに手間取り、「しばってしもえっや」、「時間の無駄ーてば」と燕弁を交わして作業を楽しんでいた。
それぞれのはっぴを着て「そいや、さー!」と太鼓のリズム乗ってかけ声を合わせて担ぎ、史料館に向かってみこしを高く掲げて差した。
ことしは燕1000人みこし実行委員会委員長を5年間、務めた会社社長 岡田健太郎さん(47)から会社社長 熊倉正人さん(42)に代わった。熊倉さんは燕三条青年会議所から数えて11年、燕1000人みこしに参加し、実行委員会に入ってから7年になる。
熊倉さんは、これまで感染禍もあってフル開催とはいかなかったが、「ことしは地域を担ごうという合い言葉のもとで盛り上がった飛燕夏まつり、燕1000人みこしを開催させていただきたい」と一般の担ぎ手を含め大勢の参加を呼びかけた。