新潟県の三条市と加茂市の果樹栽培農家を会員とする「天果糖逸(てんかとういつ)出荷販売協議会(金子千浩協議会長)は27日、出荷シーズンを前に出荷者大会を開き、今年度の生育状況や出荷販売計画を共有した。今年度の販売目標は17億円突破を目指す。
ことし2月に誕生したJAえちご中越に統合されたJAにいがた南蒲で、2019年に果樹産地の三条市と加茂市の出荷連絡協議会を統一し、「天果糖逸出荷販売協議会」を設立。選果場の集約と選果機の入れ替えを行うとともに、「天果糖逸」のブランドで品質をPRしている。
収穫に向けてモチベーションを上げる総決起大会のような意味もあるが、感染防止で休んでいてことしは4年ぶりの開催となった。
生産者ら約60人が出席。昨年度は販売金額16億円の目標を掲げ、実績は16億5千万円と目標に届かなかった。今年度は果樹栽培のための生産コストの上昇や栽培環境の変化を背景に目標を17億円に引き上げた。農業、肥料、出荷資材など果樹栽培にかかわるすべての価格が高騰しており、販売金額を伸ばして利益確保を目指す。
来賓の滝沢亮三条市長は、県外へ行くたびに燕三条地域は製造業だけではなく農産物もアピールし、三条市のふるさと納税は果樹部門に限ると、昨年度は前年度の3倍に寄付が増加したと紹介した。
それでもまだアピールは足りず、「私も皆さんと一緒にこの地域の果物をさらに良い形で全国に発信していきたいので協力をお願いする」と述べた。
藤田明美市長は兼業農家の実家が昨年、ナスとル レクチエの栽培をやめたので偉そうなことは言えない」と恐縮。加茂市の果樹栽培は「全国に誇れるもの」で、「今後も皆さまの果樹栽培が順調にいくように行政としてもしっかりサポートしたい」と約束した。
JAえちご中越の吉田文彦経営管理委員会会長は、2年前までの3年間は天候不順で不作だったが、単価が非常に高く、生産者への影響があまり及ばなかった一方、減価償却の大きい山を迎えたJAは非常に困窮したと話した。
昨年度は久々の平年作だったが、今度は単価が思うように上がらず、目標を達成できずに終わった残念な1年だった。「やはり品質と作柄、質と量が一定程度の水準が確保できてこそ、本当に高品質の果物をより多くの皆さんから味わってもらえる。そのことが産地、天果糖逸出荷販売協議会の成果を上げる評価を上げることにつながるとつくづく実感した」。
ことしは開花が早まったことで品種により、またひょうの被害があったと聞くが、これから収穫までの管理、ていねいな仕上げ作業により販売目標が達成できるよう期待した。
とくに昨年から出荷資材が高騰しているが、逆に感染が落ち着いてインバウンドが増加していると状況のなか、「是が非でもことしは手取りを確保していただきたい」。
今年度の協議会の販売目標17億円は、JAえちご中越管内の目標は31億円の半分以上を占め、ウエイトは大きい。
各種園芸が盛んな中越地区をうらやむ声もあるが、逆に言えば出荷協議会や選果場の運営という部分では園芸産地をもたない地区の生産者に理解を求めていかなければならないという二面性もあるが、合併したほかの地区の生産者からは、ことしの果物の味、おいしさいにいちばん関心、注目が集まっている。
ほかの地区に一生懸命、アピールしていくので、それに負けないおいしい果物をJAに出荷してほしい。すでに来週からモモの選果が始まり、これから長丁場が続くが、「ことし1年が販売協議会と出荷者にとって素晴らしい1年になるよう祈念する」と述べた。
このあと三条農業普及指導センターがことしの生育状況を説明し、モモ、日本ナシ、西洋ナシ、ブドウの各部会がことしの出荷販売計画を説明。ほかに販売情勢と販売協議会への要望や期待、質疑意見交換などがあり、閉会後は祝宴を開いた。