新潟県田上町の「道の駅たがみ」では、加茂市・新潟県立農林高校の生徒が田上町で飼育した越後豚を「加茂農林高校ポーク」としてブランド化。7月1日から「道の駅たがみ」限定で販売する。
この豚は生産技術科動物コースの生徒が、高校の川船農場(田上町)の豚舎で飼育している。田上の自然のなかでストレスとは無縁の伸び伸びした環境で育った豚は、うま味を感じる締まった肉質が特徴という。
ロース、ヒレ、バラ、小間切れ、加工を委託したウィンナーの5種類を販売。小間切れで100グラム税込み158円、ロースで220円と、一般の越後豚と同じ価格で販売する。
また、食堂では新潟名物タレカツ丼に使ってみそ汁付きでこれまでと同じ690円で販売する。
今回は5頭分、約350kgを出荷し、約1カ月間での販売を見込んでいる。今後も販売を継続したい考えで、早ければ8月中にも第2弾を販売できそうだ。
発売を前に6月30日、動物コースで豚を飼育する生徒6人の3年生3人が「道の駅たがみ」で記者会見し、「自分たちの手で送り届けることができてうれしい」、「おいしいって言ってもらえるといい」と話す一方、生まれたときから数カ月、育ててきただけに「ちょっと複雑」という正直な声もあった。
実業系高校が民間とタッグを組んで商品開発やマーケティング学習を行う取り組みが増えているが、加茂農林高校では初めて。豚の飼育を指導する高山ひとみ教諭は「生徒にもこういう所に来る機会が増え、社会人としてのコミュニケーションも身に付く。販売の手伝いにもなるべく参加させてもらいたい」と話した。
「道の駅たがみ」がオープンしてから2年半、加茂農林高校の生徒が店舗前で園芸品や野菜、卵などを販売している。そういったコミュニケーションから今回のブランド化に発展した。
ことし5月に「道の駅たがみ」が開いた「たけのこ祭り」に加茂農林高校で飼育された豚肉を使用したフランクフルトをテスト販売したところ、あっと言う間に完売する人気を集めた。
馬場大輔駅長は「加茂農林高校の豚国がほかの豚肉と同じように流通していると聞いた。地域価値向上を目指している道の駅なので、何か一緒にできないかと相談し、道の駅で販売させてもらうことになった」と言い、「新潟農林高校ポークは“やさしい道の駅”にふさわしく、ぜひ味わってみてほしい」と来店を待っている。