8日、9日の2日間、新潟県三条市・三条パール金属スタジアムで予定されたプロ野球ファーム交流試合「三条野球祭り」は、8日は雨で中止になったが、9日は試合中とその前後は雨が降らず、2,190人が来場して地元出身選手の活躍を含め阪神タイガースと埼玉西武ライオンズの対戦に胸を躍らせた。
三条パール金属スタジアムの毎夏恒例のファーム戦。8日は朝の強い雨でグランドに水が浮いたため中止。9日も朝は雨だったが、弱い雨がしだいに収まって図ったように試合開始の正午前に降りやんだ。
試合開始前は阪神の埼玉出身で新潟医療福祉大で活躍した桐敷拓馬投手と長崎出身の川原陸投手の2人が先着50人にサイン色紙をプレゼント。阪神グッズのチャリティーオークションなどのイベントもあり、球場前にはキッチンカーも並んでにぎわい、大阪から訪れた阪神グッズを身に着けた阪神ファンが目立った。
試合は両チーム監督へのプレゼントや始球式を行って始まった。地元野球ファンにとって関心が高いのは、やはり地元関連の選手。なかでも注目を集めたのが三条市出身の渡邉雄大投手(31)。三条市立第一中から中越高校エース、青山学院大、2013年アルビレックスBC、18年ソフトバンクホークス、そして22年から阪神の育成選手になった。
試合では先発ではなかったが、8回表だけ登板。大きな声を上げて投げる熱投で1安打を許したものの2三振を奪い、会場は大きな拍手と声援で盛り上がりを見せた。
阪神の先発は北海道出身で帝京長岡高校から昨年、ドラフト4位で入団した茨木秀俊投手(19)。初回は打ち込まれて5失点したが、その後は落ち着いた投球を見せた。
一方、西武のスターティングメンバーに滝澤夏央遊撃手(19)。上越市出身で関根学年高校から21年にドラフト育成2位指名で西武に。この日は高校時代も対戦している茨木投手から1番打者として試合開始直後の初球を右翼線へ打ち返す2塁打を放った。この日の茨木選手との対戦は1安打1三振だたった。
試合後、瀧澤選手は「高校のときも何度か対戦してるし、あまり打った記憶はないが、きょうは真っすぐをねらおうと思ってたまたまいい所に落ちた」と安打を振り返り、開催中の高校野球新潟大会に出場している選手には「甲子園を目指して最後の1球まで何があるるかわからないという思いで頑張ってほしい」と話した。
茨木選手は試合を振り返って「納得いかない部分も多い」、観戦していた多くの帝京長岡の後輩には「ふがいなかったので少し恥ずかしい投球だった」と悔やみながらも滝澤選手との対戦は「一軍を経験している選手なので抑えるのが難しかった」、「夏の大会の決勝以来、新潟県で投げることができたよかった。あとは結果はついてくればよかった」とし、高校球児には「決勝で負けて悔いが残ったので、悔いの残らない夏にしてほしい」とエールを送った。
また、主審を務めたのは、川上拓斗さん(27)。小千谷市出身で中越高校で出場機会は少なかったもののマネージャー的な役割でも貢献し、15年にBCリーグ審判員に採用、17年日本野球機構(NPB)審判員のアンパイア・スクールに合格、19年にNPBに育成審判員として入局。22年は一軍公式戦も担当できる正審判員として契約している。