新潟県三条市の小学生対象の陸上クラブ「三条ジュニア」(鈴木協監督・部員102人)に所属する三条市立嵐南小学校5年・富樫春人さん(11)は、9日行われた第39回日清カップ新潟県小学生陸上競技交流大会の男子5年100mで優勝し、全国大会の切符を手にした。三条ジュニアからトラック競技で全国大会へ出場するのは初めて。
男子5年100mには県内から64人が出場した。富樫さんは予選リーグ14秒23で1位のタイムで決勝に進出。決勝ではさらにタイムを縮め、自己ベストの13秒95をたたき出し、2位に0秒36の差をつけ、全国レベルの14秒を切る快走で優勝した。
富樫さんは友だちが陸上をかじっていたこともあり、「保育園で足が速かったから初めてみようかな」と2年前の9月に入部した。「記録が伸ばせるところがおもしろい」と週2回のクラブの練習日以外にも自己練習するほど熱中している。
県大会ではこれまでほとんど優勝していない。今回の大会は「優勝は5割くらい。ちょっと自信があった」。願い通りの優勝に「うれしい。全国大会が楽しみで、13秒8くらいで走りたい」と声を弾ませた。
三条ジュニアは、三条陸上競技協会の小学生を育成する下部組織。6、7年前に2年続けて「ジャベリックボール投」という投てき競技で全国大会出場選手が出ているが、トラック競技では初めて全国大会へ。三条ジュニアの歴史の新たな1ページを刻んだ。
コーチの丸山晴久さん(53)は富樫さんについて「去年までそんな速くなかった。1年でだいぶ成長した」と急成長に目を見張る。「クラブのない日もひとりで来て練習してるくらいだから、だいぶ気合いが入ってたけど、新潟とか新発田、長岡の方が強いから、チャンスはないとも言えないけど、頑張ってるから行けたらいいなと思ってたら行っちゃいました」と笑う。
5年生で14秒を切るタイムは全国でも戦えるレベルで、全国大会では決勝に進んで入賞もねらえる。「まだ時間があるので優勝をねらってもいい」と丸山コーチは自分のことのようにわくわくしている。
鈴木監督は富樫さんについて「ことし一気に1秒5くらい速くなってる。驚異的なな伸び。このまままスピードが加速していくと思うので、かなり期待できる。将来、楽しみだね」とほめる。
富樫さんの走りを「昨年から見ると滑らかな走りになってきた。去年あたりはものすごく肩に力が入ってたのがだんだんなくなってきて、後半もあまりスピードが落ちない。それがいちばんかと思ってる」と分析する。
富樫さんにあこがれて入部した部員もいる。鈴木監督は「5年生もたくさん部員がいて、おかげて盛り上がって、ばかいい雰囲気」と富樫さんの活躍はクラブ全体にいい影響を与えている。全国大会は9月17日(日)に日産スタジアム(神奈川県横浜市)で開かれる。