新潟県弥彦村の越後一宮「弥彦神社」(渡部吉信宮司)の夏の大祭「燈籠(とうろう)神事」にあわせた「弥彦燈籠まつり」が24日から26日まで3日間行われ、25日は神輿渡御(みこしとぎょ)や大燈籠巡行をはじめ、奉納花火大会に、松明大行進、舞楽とひと息つく間もなく次々と行事が繰り広げられた。
弥彦燈籠まつりは日本三大燈籠祭りのひとつに数えられ、1978年(昭和53)に「彌彦神社燈篭おしと舞楽」として国の重要無形民俗文化財に指定されている。
昨年は感染防止のため規模を縮小し、関係者にとっては歯がゆい祭りだったが、ことしは4年ぶりに本来の形に戻して行われた。
夏真っ盛りの厳しい猛暑のなか、朝から子ども燈織押しに始まり、弥彦神社では大祭と特別祈祷。昼前から青年燈籠押し、午後から里神楽と剣舞、詩吟の奉納、そして神輿の巡行路を清め払うお欅引(けやきびき)を行って山場の夜の行事が行われた。
弥彦神社氏子青年会を皮切りに11の講中が弥彦神社に飾ったそれぞれの大燈籠を引き出して拝殿前で参拝してから、温泉街のそれぞれの宿へ向かった。
大灯籠は角棒を組んで幅約1m、長さ約2.5m、高さ約60cmの方形にし、上と側面に紙を張ってあかりともし、四方に紙を張り、上に造花が飾られる。
木遣(や)りを歌うなどして運び、宿の前では笛や和太鼓、たる太鼓の演奏やまとい振り、「一宮甚句」を踊り、よさいこソーランを踊りとそれぞれの講中が得意のパフォーマンスを繰り広げて盛り上げた。温泉街は日常とはまったく違うテーマパークのような空間に変わり、見物客でごった返した。
そこへ弥彦山山頂で御神火をいただいた松明(たいまつ)を手に下山した弥彦山松明大行進がボーイスカウトの鼓笛隊を先頭に温泉街を進んだ。さらに今度は奉納花火大会がスタート。間近で打ち上がる花火を背景にまつり行事を楽しむもったいないような時間が流れた。
先行する大燈籠は道中で2基が勇壮に押し合ったりもんだりして気勢をあげた。それに田楽燈籠、神歌楽(かがらく)と天犬舞(あまいぬのまい)の2人の稚児、伊夜日子大神と妻戸大神を移した2基の神輿が続いた。
途中、末社前など6カ所で止まり、神歌(かみうた)を読み上げて拝礼。花火の最後は弥彦公園の打ち上げ場所の目の前で休憩しながら見届けてから巡行を再開。渡御を終えて還御した大灯籠は神前の仮舞殿の欄干と同じ高さに据えつけられたなか、仮舞殿で稚児が舞楽を舞い、日付が変わってすべての行事が終わった。