7月30日まで見附市民ギャラリー「ギャラリーみつけ」(徳永健一館長・新潟県見附市昭和町2)で三条市の作家、馬場まり子さんの個展「馬場まり子展 ひと百態」が開かれている。
2階ギャラリーに近作から新作の大作14点と紙や木が素材の立体、1階展示室2に2001年から任されている3カ月に1回発行の「三条市医師会ニュース」の表紙絵の原画を展示している。
馬場さんは1941年広島県広島市生まれで、51年に新潟市に転居。新潟大学人文学部英文学科を卒業し、73年から三条市に住む。現代美術家の菅木志雄の作品に強い影響を受け、86年に銀座のギャラリーで初めて個展を開き、小麦粉などを使ったインスタレーションを発表。移行も定期的に銀座で個展を重ねている。
10メートルまで描いていあったが、あと7メートル描くと会場の壁面にぴったりの長さになると徳永館長に言われてから描き足した。
「発表しようとかっていうんじゃなくて毎日、日記のように人を書いていこうかなと出発して。楽しく描いた」と馬場さん。「人を描きたい。途中で花を描いたりし始めたけど、やばい、こういうことをしちゃいけないと思って全部、人だけで勝負しようと」と振り返る。
ことし4月から6月まで岡本太郎美術館(神奈川県川崎市)開かれた企画展「顕神(けんしん)の夢 −霊性の表現者− 超越的なもののおとずれ」に出品した。展示された50人のなかには岡本太郎や横尾忠則、草間彌生など名だたるアーティストが名を連ねる。8月7日まで足利市立美術館(栃木県足利市)で巡回展も開かれている。
馬場さんが地元で作品を発表する機会は少ない。「こもって好きにひらめいたものを描いている。作品を発表するのが嫌いとかではなく、家で描いている方が好き。定期的に東京で発表しているからそれでいいかなと」。「顕神の夢」展に声をかけられ、「何もしなくても、誰かが見ているのかなと言う気がしました。自分から発信しなくても」と喜ぶ。
「今こうやって見ると、自分のコンセプトという偉そうなものじゃないけど、何をしようとしたかっていうのは一貫している。絵が描きたくて無我夢中に描いていたころの絵も、途中からいろいろ意識し始めたときの絵も同じなの。やろうとしていたことが。あれ?生まれつきかと思って。なんだこれって」と笑う。
「最近、年を取ってきて大きい絵は自分の能力がばれると思った」と言いながらも前進し続ける姿勢は変わらない。「これからもどんどん変わっていくと思う。同じことはしたくないからね。好きに画いて生きている間、暴れるかな。わかんない。急にこういうのやめたくなったってなるかもしれない」といたずらっぽく笑った。