「AIRMAN(エアマン)」のブランドで知られる新潟県燕市に本社を置くコンプレッサーメーカー、北越工業株式会社(堀内義正社長)がネーミングライツ(命名権)を取得した「AIRAMANスケートパーク(エアパーク)」(新潟市中央区清五郎)が30日、オープンした。サプライズ的に2022北京五輪スノーボードハーフパイプの金メダリスト、村上市出身の平野歩夢選手(24)も来場してオープンを祝い、会場を盛り上げた。
AIRAMANスケートパークは、県内最大級の県立スケートボード施設。昨年6月に県民栄誉賞特別賞を受けた平野歩選手の活躍などを受け、県スポーツ公園内に整備した。
滑走エリアは階段や手すりなど街の中を再現したストリートエリア、ボウルと呼ばれるおわんを組み合わせたプールのようなパークエリア、滑走面が平面の屋内エリアがあり、合わせて約2,000平方メートル。付帯施設として管理棟、駐車場、ナイター施設を備える。
東京五輪でアーバンスポーツが注目され、若い世代がスケートボードが楽しめる場を提供し、世界で活躍するトップアスリートを目指すきっかけの場にと整備した。気軽にスケートボードを体験、練習できる初心者から中級者向けのスケートパークをコンセプトにした。
30日は午後から完成記念式典とオープニングイベントが行われた。花角英世知事は「このパークが子どもからおとなまで県民をはじめ多くの人に訪れていただき、皆さまがの喜ぶ声が途切れない施設になることを願っている」と話した。
細田健一衆院議員は「ここをベースにして続々と世界に挑戦する若い選手が出てくることを楽しみにしている」、平野歩夢選手と握手して感激し、「第二、第三の平野選手が出てきたら本当にうれしい」。
国定勇人衆院議員は、村上のスケートパークが上級者向けなのに対しエアパークは初級者、中級者向けで「その階段を緩やかにのぼっていって最後、オリンピック、パラリンピックの選手を目指していくということで、大いに期待を寄せたい」とそれぞれ話していた。
北越工業は年額1,300万円で5年契約のネーミングライツ・パートナーとなった。堀内社長は、県民でも北越工業を知らない人が多く、まずは名前を知ってほしいと言う。「県の企業だが、ななか人が入ってくれないという事情もある。皆さんに新潟から世界に出て行く企業があることを知っていただきたい」と堀内社長は人材確保にもつなげたい考えで、これからも積極的に認知度を上げる取り組みを進めていく。
また、常設広告看板は、県央地域からJEJアステージ株式会社(三条市西本成寺2)が出稿している。
この日は平野歩夢選手の兄で12歳でスノーボードの国内最年少プロになった平野英樹(えいじゅ)選手(27)、弟で北京五輪スノーボードハーフパイプ9位で世界新記録となる7.4mのビックエアを記録した平野海祝(かいしゅう)選手(21)、妙高市出身で北京五輪スノーボードハーフパイプで銅メダルを受け新潟県民栄誉賞を受賞した冨田せな選手(23)の3人のプロスノーボーダーがデモンストレーションの予定だったが急きょ、平野歩夢選手も参加し、兄弟3人がそろって滑りを披露した。
平野歩夢選手は、子どものころはスケートパークがない環境のなかで頭を使いながら工夫してきたが、スケートボードも五輪種目に採用され、「ここでまた新潟のスケートボーダーが世界に行ってくれる環境ができてすごく楽しみになっている。ぼくも時間があるときはこっちでスケボーしてみたい」と話した。