9日は台風6号の接近に伴うフェーン現象の影響で北陸地方各地で40度に迫るほどの酷暑に見舞われ、新潟県三条市は全国で最も高い39.8度を記録した。
三条市では観測史上4番目の猛暑となった。1位は2020年9月3日と2018年8月23日に観測した40.4度。これで8位以上はすべて2018年以降、過去5年以内に記録している。
明け方の最低気温は26.4度で7日連続の熱帯夜。9日夜は熱帯夜どころから30度以上の超熱帯夜となるおそれもある。
全国2位は福井県坂井市・三国と新潟市東区・松浜の39.7度、4位は長岡市・寺泊の39.6度だった。
外気温が上がったために室外機が放熱が難しくなり、エアコンの効きが悪くなるほどの高温だった。
三条市井戸場のナシ畑では、天果糖逸出荷販売協議会日本なし部会長の渡辺和実さん(64)は、ナシを収穫していた。ナシは待ってくれず、実っただけ収穫しないわけにはいkない。
「朝は9時まで、午後は3時からじゃないと暑くて仕事ができない」と渡辺さん。「ことしは小粒だけどその分、甘いナシになっている」と糖度が高くみずみずしいと味には自信満々だ。
寺泊は時間帯によっては全国一の高温になることもあった。寺泊海水浴場からは佐渡がくっきりと見えた。救護所の監視員によると、9日の正午現在の海水浴客は71人だった。午前中のピークは86人。監視員は午前の方が多く、海水浴客は猛暑を避けているようだと話していた。
1日の海水浴客のピークは、先週末は5日(土)が214人、6日(日)168人で、暑すぎるせいか海水浴客も少なめなようだった。
新鮮な魚介類で観光客を集める寺泊の魚の市場通りは、9日の午後もにぎわっていた。平日にもかかわらず帰省客や観光客が多いようで、駐車場の車は、関東地方を中心に県外ナンバーが2割以上を占め、なぜか「熊谷」ナンバーが目立った。
それぞれの店はすだれを下げたり、ミストシャワーを設置したりと少しでも涼しく過ごしてもらおうと工夫している。
連日の酷暑で心配されるのが、コメの作柄。2019年は盆ごろに猛暑に見舞われ、「心白粒」や「背白粒」など白未熟粒による高温障害が多発し、災害級と言われるほどの品質の低下を招いた。
とくに日最低気温が作柄に大きく影響するが、このところの連日の猛暑日が少なからず品質を低下させるのではと、関係者を心配させている。