※当初15日開催の予定が台風7号接近に伴い20日(日)に変更されました。
新潟県燕市立松長小学校は来春、小中川小学校に統合されて廃校になる。閉校と創立150周年を記念し、地域のコミュニティーの核でもある小学校がなくなっても続くものをと20日(日)、地域をあげて松長小学校で初めての「まつなが夏まつり」が開かれる。
午後5時から8時までグラウンドを会場に開催。キッチンカーや飲食、縁日や屋台が店開きする。ステージイベントは、松長小吹奏楽部の合奏に始まり、よさこい演舞、ヒップホップダンス、ヨッチョレ、ファミリーカラオケ大会、ちびっこゲーム大会が行われる。
会場には子どもたちが作ったあかりの作品を展示。最後は仕掛け花火でフィナーレを飾る。浴衣や甚平を着て来場した人にはプレゼントも用意する。
初めての企画なので毎年、地域で夏まつりを開いている先輩の粟生津地区と吉田北地区に話を聞いて内容を練った。松長小吹奏楽部は感染禍もあって人数が足りずに楽団を編成できなくなっていたが、卒業生の中学生、高校生も参加し、10月の閉校式典での発表に向けて練習を重ねている。その成果を一足早く発表する。
松長小の児童数は40人。少子化が進み、小中川小学校への統廃合が決まったこともあり、ことしは1年生がひとりもいない。2年生は1人だけで、3年生との複式学級になっている。
松長小向かいに松長公民館の金子義博館長(71)は、舘野地区の自治会長を3年務めて昨年、館長に就いた。松長小の卒業生でもあり、通っていた当時の全校児童は約180人だった。
金子館長は「学校が地域コミュニティーの要、もっと大げさに言えば核」と、松長小が地域に果たす目に見えない存在意義の大きさを話す。
地域の高齢者を祝う会を体育館を会場に借り、松長小の運動会も文化祭も地域の人が参加する。ことし5月の最後の運動会は、午後から公民館主催で地域のプログラムを復活させた。10月に開く文化祭は小学校と公民館の文化祭を学校1カ所で合同開催することにした。
自治会、公民館、PTAと地域の総力を上げる夏まつり。金子館長は「地域のシンボル的な施設の学校がなくなれば、地域と子どものコミュニケーションも薄れていく。来年以降も夏まつりを継続していければ」と夏まつりがこれからも地域の人たちがつながる一定の役割を担ってくれることに期待している。
夏まつりは誰でも参加できる。地域の人に限らず帰省客も歓迎。「校舎も学校の協力で開放するので、卒業生は昔を懐かしんでほしい」と金子館長は来場を待っている。