2004年の7.13水害で破堤した新潟県三条市を流れる五十嵐川の改修を契機に発足した市民有志の会「五十嵐川を愛する会」が、ことし4月22日に解散し、残金38万7010円を三条市社会福祉協議会に寄付した。
「五十嵐川を愛する会」は、河川改修された五十嵐川の環境保全や美化、川のイベントなどを関係機関と連携して取り組むために07年4月3日に設立された。
毎年恒例の五十嵐川クリーン作戦をはじめ、一新橋、御蔵橋、常盤橋と、橋の架け替えで新橋が完成するたびに渡り初めのあとのアトラクションを担当した。
五十嵐川で生きもの調べや、五十嵐漁協との協力でサケのつかみどり、稚魚の放流などのイベントも行った。
会長は設立当初から16年間、箕輪勲男さん(81)が務めてきた。当初は県や市が担当していた事務局も兼務していた。2年前に体調を崩してから体力的に会長を続けるのが困難になってきた。
後任の会長を模索したが受けてくれる人がいなかった。ことし4月22日の総会に向けて役員会で引き受け手がなければ解散するという動議を出し、やむを得ないという判断があり、解散を決めた。
残金は寄付することに決めた。18日、箕輪さんと相談役で元五十嵐川漁協組合長の山井正直さん(76)、監査の高橋正志さん(68)の3人が市社協を訪れ、箕輪さんから笹川浩志事務局長に残金を包んだのし袋を手渡した。市社協では社会福祉基金に積み立てて福祉関連に役立てる。
箕輪さんは「私にとっては残念な終わり方だが、自分の命とは引き換えにできない。私自身が投げ出さないと、この会は終わらない」と解散の思いを話した。
さらに「活動するには楽しい15年間だった」と振り返り、「ぜひまた後世の人からこういう五十嵐川を中心にした事業を継続していただくことを希望しながら15年のけじめをつけさせていただいた。必ず誰かがやってくれると期待している」と願った。
また、高橋さんは「今後またボランティア事業を立ち上げたいと思っている。継続するために有償のボランティアで、身障者や高齢者で90歳までできるような作業ができるよう市や事業所と交渉中」と話していた。