新潟県三条市と友好都市を締結してから来年で30年になる中国湖北省・鄂州(がくしゅう)市の行政代表団が23日から3日間、三条市を訪問している。農産品のブランド化の取り組みや市内の日本庭園を視察するほか、三条市教育委員会と鄂州市教育局との協定締結に関する覚書を締結し、両市の友好親善を図る。
両市の交流は1991年に三条商工会議所中国産業経済視察団が「技術研修生派遣に関する協定書」の調印のために鄂州市を訪問したのが始まり。94年に友好都市提携協定書に調印し、来年でちょうど30年の節目になる。
相互に訪問団を派遣したり、三条市は鄂州市からの研修生を受け入れ、青少年海外派遣事業で小中学生を鄂州市に派遣し、交流を続けている。
感染拡大で2020年に三条市が鄂州市へ支援物資の医療用マスクや医療用防護セットを送り、日本で感染が拡大すると今度は鄂州市から三条市へ支援物資が送られ、思いやりの交流も深めている。
鄂州市の公式訪問は5年ぶり。中国共産党鄂州市委員会の徐艶国(ジョエンコク)副書記長と鄂州市人民政府の教育局の 範玉嬌(ハンギョクキョウ)局長ら6人で訪問団を編成する。
23日は諏訪田製作所を視察してから市役所を表敬訪問したあと歓迎夕食会に出席。24日は大島選果場、農園、道の駅 庭園の郷 保内、本成寺三軌苑の日本庭園、諸橋轍次記念館、パール金属を視察し、国際交流協会の夕食会に出席。25日は第一中学校を視察し、教育交流について覚書を締結し、燕三条地場産業振興センターを視察する。
23日の市役所表敬訪問で滝沢亮市長は、「三条産品のブランド化の取り組みや市内の日本庭園、中学校などを視察して密度の濃い交流を図りたい。三条市教育委員会と鄂州市教育局が教育活動における交流及び協力関係の構築を目的に覚書を締結する。これを機に両市の未来を担う若い世代の相互理解と交流、友好関係がさらに深まることを期待する」とあいさつし、来年の友好都市締結30年を前に両市の交流を推進したいと話した。
徐副書記長は、今回の視察で、三条市のまちと田舎の融合、農業振興の先進的経営を学ぶこと、両市の教育提携、青少年交流に関する覚書の署名など予定し、鄂州市で開かれる湖北省第4回園芸博覧会に三条市からも友好都市として参加してもらうプロジェクトについて話し合いたいと述べた。
三条市各界の人々とも交流し、「成果を得られるものと確信している」と徐副委員長。今回は鄂州市委員会の書記と市長の委託を受けての訪問であり、「友好都市というプラットフォームを足場に三条市各界との全方向での理解をさらに深め、さまざまなレイヤーにおける交流を展開することで、各領域での提携を促進し、互いを手本とし、互いに利益を得、互いに補い合い、鄂州市と三条市がさらに輝きを増す素晴らしい明日をともにつくりあげていきましょう」と期待した。
三条市側は三条市の小中学生が6491人なのに対し鄂州市は13万人にものぼり規模の大きさ、5年前にこれから建設を進めると聞いていた中国初の貨物ハブ空港「鄂州花湖空港」がすでに昨年7月に開港したという圧倒的なスピード感に驚いていた。