わせ品種の稲刈りが進むなか、JAえちご中越管内南蒲地区のなんかん南低温倉庫(三条市茅原)で1日、収穫されたうるち米やもち米の本格的な品質検査が行われた。高温と水不足の影響で明らかな品質低下が見られた。
1日はうるち米の「つきあかり」、「ゆきみらい」、「こしいぶき」、もち米の「わたぼうし」などが261トンが持ち込まれ、この日は「こしいぶき」を検査した。JA職員が米袋に「穀さし」という金属製の棒を挿してコメを採取し、目視や測定器で水分量を測って品質を見極めた。
講評では、形や色が整った「整粒」が7割以上の1等米が2割にとどまり、2等米が8割だった。高温障害による基部未熟、背白粒によるものが多く、いくらか胴割れも見られ、総評としては白未熟粒が目立ち、「ことしのわせ品種は全体的に高温にやられた状況」で、「1等米比率の低下が心配される」とした。
昨年の同じ検査では、7割が1等米だった。検査前に経営管理委員会の吉田文彦会長は、「JAえちご中越として合併して最初のコメになるので高品質で良食味でスタートを切りたかったが、さすがにこの天気だとちょっと厳しい」と話していたが、やはり厳しい結果に「2割というのは想定外に悪かった」と受け止めながらも、「8割が2等米だったといことはせめてもの救い」と述べた。
春先から天候に恵まれ、稲も畑作も順調に生育を続けたが、7月半ばからの高温、水不足で、味は悪くないだろうが、太りが悪く、高温障害に見舞われたが、「見た目の検査では格落ちする部分がだいぶ出ている状況だが、食味はまだ期待をもっている」とした。
ただ、生産者からは、量的には平年作ていどを確保できると聞いており、「生産資材が高騰して、この猛暑で品質が下がって、これで収量が落ちるようだと本当に三重苦だった」と収量には期待した。