新潟県中越地区のJAえちご中越の南蒲地区で11日、代表的な秋の味覚のクリの収穫、出荷が始まった。
今年度は、梅雨明けから雨が少なく、実は小ぶり傾向だが、太陽の光をたくさん浴びて糖度の高いクリに仕上がっている。
主産地は加茂市七谷地区で主に山間の傾斜地で栽培されている。JAえちご中越加茂栗栽培生産組合では、加茂市内の18会員が出荷しており、栽培面積は約5.6ヘクタール。収穫は9月中下旬にピークを迎え、10月下旬までに約6トンの出荷を見込む。
組合員の吉田忠さん(74)=加茂市下土倉=もこの日、自宅裏手の斜面の栗林で今シーズン初めての収穫を行った。収穫したクリは、早生種の「丹沢(たんざわ)栗」。地面に落ちた茶色になったいがぐりを足で踏み割り、顔を出した茶色の実をトングでつまんで集めた。
ことしは結実が遅れて、収穫できるクリは少なかった。吉田さんは「晴天、高温、雨が降らないおかげで早生、中生は収量が15〜20%ていど減る。したがって収入も少なくなる」と苦笑しながらも、期待も込めて晩生種では挽回すると見ている。
「加茂の栗はやっぱし自分でもいいなと思う。食べてもうまい。間違いないなと思う」とし、「山里の秋の風情を思い浮かべながら時間があるとき、ゆっくりと山里に思いをいたし、ほくほくとした感じで気持ち心もほくほくとなる感じで味わっていただければ」と願っていた。