新潟県加茂市の商店街に毎月1回、「華金(はなきん)」にナイトバザールが出現する。コロナ禍で大きな影響を受けた飲食業界を盛り上げ、商店街に夜のにぎわい取り戻そうと9月から毎月下旬の金曜の夜に商店街で「カモナイトバザール」が開かれる。
第1回は22日(金)午後5時から9時まで、穀町と本町の隣り合う2つの商店街、約350メートルを歩行者天国にして会場にする。
穀町商店街にテントエリア、本町商店街にキッチンカーエリア、それぞれの商店街に飲食スーペースも設ける。テントエリアには加茂商工会議所会員の飲食業者など7店や物販業者が出店する。
できるだけ商店街の店も開けてもらい、立ち寄ってもらおうとテントは道路の中央に並べて商店がよく見える配置にする。
キッチンカーエリアには、市内外からキッチンカーが集結し、その数は実に21台。穀町飲食スペースでは、6時半からと7時半からの2回、大道芸人によるジャグリングパフォーマンスもある。
注目は加茂信用金庫本店にオープンする一夜限りのディスコ「Utopia(ユートピア)」。3階ホールを会場にミラーボールも設置してディスコホールに生まれ変わる。50年近く前から流行したディスコブームの熱気をお堅いイメージの金融機関で再現する。
また、この日は会場から少し離れるが新町商店街で午後6時から9時まで民謡「加茂松坂」を踊る「新町雁木通りで皆で踊ろう加茂松坂」が開かれる。踊りに参加した先着150人は、この会場とカモナイトバザール会場の両方で使える200円分の商品券がもらえる。
加茂商工会議所で若手の会員に商店街を新たなイベントで盛り上げてほしいという声が上がり、若手が中心になって企画した。加茂市には加茂駅前から伸びる大通りに駅前、穀町、本町、仲町、上町、五番町、新町の7つの商店街が順に連なる。年中休みなく毎月、下旬の金曜に2つの商店街でカモナイトバザールを開く計画だ。
初めての今回は商工会議所が主催するが、次回からは商店街が主催する形にする。中心メンバーのひとり、スナック「CHINAMI」=仲町=を経営する牛膓総一さん(48)は、キッチンカーの営業も行っている。
牛膓さんは「年1回のイベントでは、コロナ禍で打撃を受けた傷をいやすには少ない。月1回スパンでイベントを打って少しでも早く立ち直ってほしい」と言い、商店主の意識を変えたいとの思いもある。
「月1回なら商店街の人も1年に12回かかわり、どこかのタイミングで運営に入ってくれれば、より大きなイベントになっていく」。ディスコを企画したのも「商店街で働く人は年配の人が多く、年配の人たちが入っていきやすいようにというテーマもある」。当日は1店でも多く夜も店を開けてくれることに期待している。
冬場の屋外開催は難しそうだが、「規模はそのときにあわせて継続していきたい。もっと言うと、文化になってほしいなくらいに思っている」とイメージを広げている。