タケノコの産地で知られる新潟県田上町の夜を竹あかりで彩るアートプロジェクト「たがみバンブーブー」が昨年に続き16日から10月15日まで1カ月間にわたって展開されるのを前に15日夜、メイン会場の「たがみバンブーブー竹林」に地元の人たちを招いてプレオープンした。
初めて開いた昨年は、竹林の竹あかりとライトアップが大きな反響を呼び、1カ月間で約2万5千人もの来場者を集めた。想定をはるかに超える人出に周辺道路が大渋滞し、地元の人たちから家に帰れないという声が上がり、主催者にはまさにうれしい悲鳴だった。
とくに昨年は見学が無料だったがことしは有料にしたこともあり、開幕前夜に地元の人たちを無料招待して見学しもらおうとプレオープンした。
たがみバンブーブー竹林は、吉田新田地内の田上町地域学習センターから西側の小高くなった竹林。昨年の約2,600平方メートルからことしは約6,000平方メートルと2倍以上にエリアを拡張した。竹あかりは地元の園児から小中学生を含め、13回のワークショップを行って述べ千人以上が製作にあたった。
2番目のエリアは新潟市のデザイナー小出真吾さんが担当。オブジェやモビールを設置し、16日からカフェがオープン。新潟市の和菓子店「丸屋本店」の生和菓子と村上産の抹茶を販売する。
第3のエリアは「光と音」がテーマ。流れるLEDの光に合わせて小出生まれの福島諭さん制作のタケから音をつくった電子音楽が流れる。最後はCHIKAKENの竹を球形に編んだ竹まりとボランティアで制作した竹あかりが見送ってくれる。
会場に入るとまず竹あかりに引きつけられるが、その魅力を引き出しているのが、ライトで照らされた自生する竹林。竹林があるとないとでは竹あかりの魅力はまったく違う。竹あかりを主とすれば竹林は背景だが、会場に長く滞在するほど実は竹林の方が主役に思えてくる。幾千のタケが描く繊細な線は息をのむほど美しい。
プレオープンには吉田新田と竹林に隣接する原ヶ崎新田の住民を招いた。ほとんどの人が昨年も見学しているが、規模の大きさに「すごーい!」と感激。フォトスポットはもちろん、スマートフォンで写真を撮りまくっていた。昨年は4回、見に来た近所の女性も「去年の何倍も感動しました」と目を丸くしていた。
このほかに無料会場として「道の駅たがみ」と地元湯田上温泉の「ホテル小柳」、「越後乃お宿わか竹」、「食べるお宿 末廣館」、「旅館 初音」にもバンブーアートを展示する。
点灯時間は、いずれも午後6時から8時半までだが、道の駅たがみだけは午後11時まで点灯する。
7時半からロックバンド「Hi-STANDARD」のボーカル・ベースで新潟市出身の難波章浩さんのスペシャルトーク、8時45分からフィナーレの特大ドラゴン花火で締めくくる。
ほかにも田上中生徒によるカフェやショップをはじめとした飲食の提供やeスポーツ、雑貨&ワークショップ、音楽とDJなど盛りだくさんだ。
初日を除いて午後6時から道の駅たがみ、たがみバンブーブー竹林、椿寿荘を回るシャトルバスを30分間隔で8時半道の駅たがみ発まで6便、運行する。