新潟県加茂市の加茂暁星高校で23日の文化祭「暁星祭」を前に22日、初めての前夜祭が行われた。「戦争と平和を考える〜明るい未来へ〜」をテーマにスカイランタンを飛ばし、噴き上げ花火を上げて感動的な夜とともに平和への願いを生徒の胸に刻んだ。
前夜祭は自由参加。約470人の生徒のうち200人ほどが野球場に集まり、約50個のスカイランタンを飛ばした。スカイランタンは市販のキットで、風船にヘリウムガスを詰めてLEDライトを取り付け、一斗缶ほどの和紙の袋をかぶせる。
糸を付けて飛ばすので完全回収でき、さらに平和の願いを書いた短冊も入れ、カウントダウンを行って空に上げた。
LEDでオレンジに色に染まったスカイランタンがゆっくりと舞い上がった。BGMが流れるなか、日没したばかりのマジックアワーの空を浮遊するスカイランタンは見たことのないような非日常の光景に歓声が上がり、大はしゃぎだった。
続いて地元の花火業者による噴き上げ花火。糸をたぐり寄せたスカイランタンもともり続け、今度はまぶしいほどの花火を間近で見物し、最後は大きな拍手がわき上がった。
暁星祭を前に放課後に戦争と平和のテーマで時間をつくって教諭が話し、希望した生徒数十人が参加した。参加した生徒のうち何人かがスカイランタンを製作している間に授業の感想を発表。平和の願いを込めて書いた短冊を含め、スカイランタンと花火でこれからも残り続けるだろう前夜祭の記憶とともに平和と戦争について考えた記憶も重なるはずだ。
生徒会長の2年生・星野アン美安さん(16)は、生徒会の選挙のときに文化祭や体育祭をもっと盛り上げたいと訴え、あわせて他校の前夜祭を参考にこれまでなかった前夜祭をやりたいとも訴えた。
晴れて生徒会長になり、公約通りに初めての前夜祭の開催に向けて動くなかでスカイランタンと花火のアイデアがあがった。
1年生のスキースノボ合宿のときに1年生全員でスキー場でスカイランタンを行い、それを前夜祭で3学年全体でやりたいと思った。
「平和になったらなっていう結構、大きな大ざっぱな願いだけど、その気持ちをみんなにももってもらえたらと思ってこのテーマにした」と話していた。
暁星祭当日は、全校生徒はもちろん教職員も含めて1人が3羽ほど折った折り鶴約1,300羽をひとつの教室に集めて展示する。